[シンガポール 14日 ロイター] - HSBCは14日、東南アジア株の割安感が強まっており、インドネシア株のほか、特に出遅れ感のあるシンガポール株への投資で高いリターンが見込めるとのリポートをまとめた。

インドネシアの首都ジャカルタでは14日に新型コロナウイルスの流行に伴う制限措置が再導入されたが、景気回復、低金利、良好な財務の組み合わせを踏まえると、一部の東南アジア株を購入する好機だという。

同行のストラテジスト、Devendra Joshi、Herald van der Lindeの両氏はリポートで「新型コロナの流行当初は、こうした要素の先行きが、少なくとも視界不良だったが、足元では透明性が増しており、こうした要素が東南アジア諸国連合(ASEAN)株を支援するとみられる」と指摘した。

両氏は「インドネシアとタイをオーバーウエートに引き上げる。シンガポールもオーバーウエートを維持する」と表明。シンガポールの不動産開発大手キャピタランド<CATL.SI>、インドネシアの複合企業アストラ・インターナショナル<ASII.JK>など、金融株、通信株、消費関連株に投資妙味があるとしている。

東南アジア株式市場は、海外投資家の資金流出が続いており、海外の株式市場に比べて出遅れ感がある。多くのファンドマネジャーは、東南アジア株の買いを再開するのは時期尚早と感じており、両氏はこれが買いの好機になるとしている。

両氏は「経済活動が回復し、世界経済の回復が続けば、海外機関投資家の資金が再び流入し、市場を支える要因になるだろう」と指摘した。

基本シナリオでは、シンガポール株は9月9日時点から年内に19%上昇、インドネシア株とタイ株は18%上昇する見通し。「ベストシナリオ」では36─40%の上昇が見込めるという。

ただ、フィリピン株については慎重な見方を示した。財政余力が不足しており、回復が遅れる恐れがあるという。

マレーシア株については、一部の近隣諸国の株式市場ほど低迷していないため、中立としている。

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