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この記事の元になっているブルーバックスの 『時間は逆戻りするのか』は買ってまだ読んでませんが、結論部分はロヴェッリの「時間は存在しない」に準拠した内容となっています。

ただし、ロヴエッリはルーフ量子重力理論の提唱者ではありますが、著書でも述べているように、「時間が存在しない」という核心部分については、推測の域を出ていないとしています。

ただ、超弦理論と違って余分な次元を考えなくてよいことや、時空間の場を量子化し、宇宙とはそのネットワークであるとする考え方は、昨今の量子情報理論の世界観にも近く、とても自然に思えます。

時間は、マクロスケールな存在である我々が、本質的にミクロ(量子化された)マクロに「ぼやけた」認識でしか起きない「現象」を繰り返し観測して得た感覚(概念)でしかないのかも知れません。

また、記事の最後に言及されている、量子変数の非可換性についてですが、この非可換性から物理変数全体が非可換フォンノイマン環として構築されるという、コンヌの純粋に数学的な仕事と、時間の起源の関係性があると指摘されています。

これは物理学と数学が関連する最もエキサイティングなもの一つです。(もう一つとして、原子核のエネルギー間隔と、リーマンゼータ関数の零点の間隔が同じ、つまり原子核物理学と素数の数学が関連しているという、プリンストンでのダイソンとモンゴメリーの邂逅など)

このレベルで考えると、「時間が逆戻りするか」という問題は、「ミクロならそりゃできるっしょ」と思うわけですが、最近量子コンビュータで逆戻りさせる方法についての研究がありましたね。

Physicists Have Reversed Time on The Smallest Scale Using a Quantum Computer
MIKE MCRAE 12 JUNE 2020
https://www.sciencealert.com/physicists-have-reversed-time-on-the-smallest-scale-with-a-quantum-computer

追記
偶然にもブルーバックスタイトルの元ネタの一つはこの研究っぽいですね。