2020/9/18

【解説】ユニクロ世界一への、越えるべき「3つの壁」

ファッションビジネスジャーナリスト
ユニクロを生んだファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は、これまで幾度となく「世界一」への目標を語ってきた。
そして今、それが少しずつ現実のものとして、近づきつつある。
ユニクロを展開するファーストリテイリングの2020年8月期の決算発表が、来月中旬に迫っている。
新型コロナの影響によりイレギュラーな数字になることは間違いないが、追って発表される11月期決算のH&Mを抜き、「ZARA」を擁するインディテックスに続く売上高世界第2位のアパレル専門店の座に就くことが見込まれている。
時価総額ではすでに2位に浮上しており、ZARAとの頂上決戦を残すのみだ。
今回のコロナ禍で、人々の生活や価値観は大きく変わった。
経済が停滞し、所得が減り、ファッションに対する支出が抑制される中で、人々はより生活必需品に近いエッセンシャルな服、本質的な服を求めるようになるだろう。
これは、LifeWearをコンセプトに服を提供する「ユニクロ」にとって大きな追い風だ。
世界96カ国で店舗を展開するものの、インディテックスは地元スペインを含む欧州や米国での売り上げシェアが高い。
一方、ファーストリテイリングは比較的、感染拡大の被害が少なく、人口が増加し経済成長も著しいアジアを拠点にしている点で有利だ。
ユニクロはコロナを追い風に、本当に世界一になれるのか。本稿では、そのために乗り越えるべき課題について解説していきたい。
(写真:picture alliance / Gettyimages)

5年前から始まった「ユニクロDX」