お盆の県またいだ移動、コロナ禍で前年比3割減――東北・沖縄への流入激減KDDIが位置データ分析(1/2 ページ)

» 2020年09月09日 15時30分 公開
[服部良祐ITmedia]

 新型コロナウイルスの感染拡大で、異例の自粛ムードが広がった今夏のお盆。KDDIがスマートフォンの位置情報データを元に県境を越えた人の移動量の変化について分析したところ、お盆期間の県をまたいだ移動人数は、前年同期より3割弱ほど減少した。特に東北・北陸地方などへの流入人口が激減する結果となった。

photo 今夏のお盆は帰省しましたか?(写真はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

お盆は移動活発化したが前年より下火

 調査はKDDIがデータ分析を手掛けるARISE analytics(東京都渋谷区)と連携、スマートフォンの匿名化された位置情報データを解析して実施した。お盆期間(8月8日〜16日)及び8月中の、各都道府県の県境をまたいだ流出・流入人口を算出し、他の時期と比較して増減率を割り出した。

 まず、お盆期間における他県からの流入人数について都道府県別に分析したところ、全国平均で前年同期より27.8%減となった。ほとんどの都道府県で流入人口は減少している。ちなみに、全国平均における流入数と流出数は一致する。

photo お盆期間の県外からの流入人口の変化(KDDIとARISE analyticsの「日本全国での県境をまたぐ移動に関する人流分析レポート」)

 4月の緊急事態宣言以降、こうした流出(入)人口の全国平均の推移を見ると、県をまたいだ移動制限が全面解除された6月19日以降は横ばい傾向にあった。一方でやはり、お盆期間は流出入人口が一時的に増加する結果となった。

photo お盆期間の県外からの流入人口の全国平均値推移(KDDIとARISE analyticsの「日本全国での県境をまたぐ移動に関する人流分析レポート」)

 ちなみに8月全体の流出入人口の全国平均は前年同月比19.5%減となった。緊急事態宣言中よりは45.5%も増えていたが、夏休み期間としてはやはり一定の自粛ムードが続いたと言える。特に休日での減少幅が大きかった。

photo お盆期間の県外からの流入人口の変化(KDDIとARISE analyticsの「日本全国での県境をまたぐ移動に関する人流分析レポート」)
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.