[モスクワ 8日 ロイター] - ロシアのシルアノフ財務相は8日、2020年のロシア経済成長率はマイナス4%未満にとどまる可能性があると述べた。

ロイターが先月まとめたエコノミスト調査の今年の成長率予想(マイナス4.7%)ほど落ち込まない見通しが示され、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)や原油安で打撃を受けた同国経済にとって明るい兆しが示された。

ロシア中央銀行のナビウリナ総裁と共に参加した金融フォーラムで、経済回復に向けた過度な資金借り入れを警告。債務の対国内総生産(GDP)比率は21年に約20%に達する見込みで、これ以上増加させてはならないとした。

また、「今年の借り入れ額は海外投資家がわれわれを信頼してくれるかどうかにかかっている。海外投資家からの信頼を多く得られなければ十分な借り入れを行えず、そのため海外投資家からの信頼を重視する必要がある」と指摘。ロシア反体制派リーダー、アレクセイ・ナワリヌイ氏毒殺未遂疑惑を巡り追加制裁の脅威に直面している中で、相対的に魅力的な利回り水準にあるロシア国債に海外資金を呼び込みたい意向を示した。

ロシア中銀の金融政策決定会合を9月18日に控え、利下げは経済成長の復活に資すると語った。

一方、ナビウリナ総裁は利下げに関する言及を避け、金融政策に操作余地があるとの従来の見解を改めて表明。「全てはパンデミックの動向や経済全般、インフレ率にかかっている」と語った。

また、4%のインフレ目標を見直す必要はないとした。ロシア中銀は年末のインフレ率予想を3.7─4.2%としている。