[ワシントン 8日 ロイター] - 米郵政公社(USPS)のデジョイ総裁が過去にトップを務めた企業で、政治献金した従業員にその金額分を払い戻した疑惑が出ていることについて、下院監視・政府改革委員会のキャロライン・マローニー委員長(民主党)は8日、同総裁の職務を直ちに一時停止するよう求めるとともに、真相究明への調査を開始すると発表した。

マローニー委員長は声明で、疑惑が事実なら、デジョイ氏は政治献金に関する法律違反だけでなく、議会での虚偽証言で「刑事上」の罪に問われる可能性もあると指摘。

「当委員会はこの問題を調査するが、(USPS)理事会はデジョイ氏の職務を一時停止する緊急措置を取る必要がある。そもそも同氏を総裁に選ぶべきではなかった」と述べた。

この疑惑についてはワシントン・ポストやニューヨーク・タイムズが報じ、選挙資金法に違反したとの指摘が出ている。[nL4N2G40B5]

デジョイ氏はトランプ大統領の献金者で、USPSの業務見直しと残業削減を指示したことから注目を集めるようになった。大統領は7日、同氏が関与した選挙献金に関する調査が行われるなら支持すると述べていた。

デジョイ氏は先週、下院監視・政府改革委からUSPSの業務見直しの決定に関連する資料提出を求める召喚状を受け取った。民主党は業務見直しについて、郵便配達業務および今年の大統領選に悪影響を与える恐れがあるとしている。

デジョイ氏が議会に送付し、8日に公表された書簡によると、同氏は郵便投票に関するトランプ大統領のコメントは「誤り」であり、USPSに有益とならない、と自身の友人に対して述べていたという。

トランプ大統領は郵便投票について、不正につながると繰り返し主張している。

郵政問題を担当する下院小委員会を率いるジェラルド・コノリー議員(民主党)は8日、デジョイ氏は議会に書簡を送付したものの、依然としてトランプ陣営との全てのやり取りに関する資料を提出しなければならないと述べた。

*情報源を更新し、議会関係者の声明などを追加しました