「もう災害こりごり」 台風10号、厳戒の一夜明け 避難住民ホッ 運休で博多駅前閑散

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台風10号の影響が小さくなり、避難所の公民館から家路につく人たち=鹿児島市で2020年9月7日午前7時43分、徳野仁子撮影
台風10号の影響が小さくなり、避難所の公民館から家路につく人たち=鹿児島市で2020年9月7日午前7時43分、徳野仁子撮影

 九州中に厳戒態勢を強いた台風10号は7日朝、日本海に抜けた。7月の九州豪雨で大きな被害を受けた熊本県の被災地では住民らが大きな被害がなかったことにひとまず安堵(あんど)し、各地の避難所で不安な夜を過ごした人たちは疲れた表情で自宅や職場へと向かった。

 7月の豪雨で球磨川が氾濫して市街地が浸水した熊本県人吉市は雲の切れ間から青空ものぞいた。豪雨で自宅が約2メートル浸水し、住めなくなった同市下薩摩瀬町の旅行業、那須敏喜さん(56)は豪雨後に避難していた借家から自宅の様子を見に戻り「また浸水したら、と不安だったが、大きな被害がなくて良かった。もうこれ以上災害は起きないでほしい」。自宅前の落ち葉をホースの水で洗い流していた同市下青井町の女性(73)は「夜中の強風に2カ月前を思い出し、少し身構えた。もう災害はこりごり」と話していた。

 宮崎市では1級河川・大淀川の氾濫を警戒して多くの市民が避難所に詰めかけた。大淀川近くの高台にある市立小松台小にプライバシー確保のためワンタッチテントを持参し、家族4人で避難した女性会社員(45)は「蒸し暑かったけれど、扇風機も回っていてなんとか過ごせた。市内に大きな被害がなくてほっとした」と語り、午前5時ごろには避難所を出て仕事に向かった。

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