2020/9/9

【証言集】田中、ハンコ忘れたけど「中田」を逆に押したってよ

株式会社アイデミー 取締役COO
どうして僕たちは、あんなに「ハンコ」にこだわっていたんだろう?
近著『どうして僕たちは、あんな働き方をしていたんだろう?』(ダイヤモンド社)において、河野英太郎・アイデミー取締役COOはハンコという慣習に縛られている日本企業のあり方に疑問を投げかけた。
世の趨勢は、「脱ハンコ」に向けて大きく動いている。政府もようやく重い腰を上げた。
テレワーク推進の観点からは、必ずしも本人の押印を得ることにこだわらず、不要な押印を省略したり、「重要な文書だからハンコが必要」と考える場合であっても、押印以外の手段で代替したりすることが有意義であると考えられる。

──2020年6月「押印についてのQ&A」
この声明は、内閣府・法務省・経済産業省の連名で出されたもの。あの法務省ですら、積極姿勢に転じているのだ。
GMOインターネットグループは、「みんなの”無駄ハンコ実態調査”2020」という脱ハンコキャンペーンを大々的に展開。自社もハンコ全廃に踏み切った。
熊谷正寿・GMOインターネット代表取締役会長兼社長・グループ代表 写真:日刊スポーツ/アフロ
GMOの特設サイトには、ハンコの是非を巡って、多くの声が寄せられている。
アメリカの人気作家、ポール・オースターは、かつて「アメリカの普通の人々」による実話投稿をラジオで朗読し、1冊の本にまとめた。
『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』(2001年)である。
オースターは、普通の人々の投稿を通じて「アメリカとは、そして、アメリカ人とは何か」を語りかけた。
合計160万部のベストセラーになった『99%の人がしていない』シリーズの著者である河野氏は、GMOのアンケートに寄せられたコメントを通じて「日本人とは、そして、日本人にとってのハンコとは何か」を語りかける。
「ハンコ・ストーリー・プロジェクト」である。
なお、『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』がそうであったように、本記事でもコメントにはあえて編集を加えていない(誤字脱字等は修正している)。そのままの「生の声」である。

夏休みの「ラジオ体操」の記憶