[ブリュッセル 3日 ロイター] - ロシアの反体制派指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏に対し毒物が使用された事件を巡り、欧州連合(EU)はロシアに新たな制裁を発動する可能性が高い。ただ、ロシアに調査の機会を与えた上で対応を判断する見通しという。EU関係筋が明らかにした。

ドイツ政府は2日、同国で治療中のナワリヌイ氏について、神経剤「ノビチョク」が使用された「疑いのない証拠」が得られたと明らかにした。

EUの執行機関である欧州委員会のスタノ報道官は、ロシアが信頼のおける独立した調査を実施し、犯人に裁きを受けさせることが重要だとし、EUはロシア政府の今後の措置に基づいて対応を判断すると述べた。ロシアは事件への関与を否定している。

同報道官は、ロシア政府は過去に起きた反体制派の殺害事件を適切に調査してこなかったと指摘し、EUとしてどのような対応を取るかすでに検討を始めたと述べた。

EUの上級外交官は匿名を条件に「やや時間がかかるが、制裁に踏み切る可能性が最も高い」と述べ、手続きには数週間かかる可能性が高いとの見方を示した。

ボレルEU外交安全保障上級代表は3日、ロシアに化学兵器禁止機関(OPCW)と協力して、国際的な調査を行うよう求める声明を発表した。