【解説】コロナもトランプも無問題。中国の輸出が「絶好調」の理由
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「中国のサプライチェーンは世界最強」というのは、中国では何でもつくっている、何でも発注できる、ということでしょう。そして、そのような国は、今や中国しかない、ということでしょう。素材からパーツ、ソフトウェアまで中国ではオーダーメイドが可能で、日本企業も含め、中国に生産拠点を置くのが最もコスト・パフォーマンスがよいのは自明の理、というふうにもはやなっているのでしょう。
巨大な市場、膨大な労働人口、豊富な人材、教育水準、そして安定した政府が、中国のサプライチェーンをつくりあげてきました。米国も日本ももはやそのような、何でも調達できるサプライチェーンを持つ国では無し、インドやベトナム、インドネシアがそういう国になることも考えにくいです。
トヨタのように、タイを中心に系列のサプライチェーンを築き上げた企業は、例外でしょう。ほとんどの企業は、日本企業であっても、中国のサプライチェーンと関係を断つというのは、容易な選択ではないでしょう。
世界でもトップのシェアを持つ企業、たとえば台湾のフォックスコン・ホンハイ(富士康・鴻海)は、米国政府と台湾政府の強い政治的要請もあり、中国にある最大の生産拠点をメキシコに移すことも検討しています。しかし、企業としての収益から見れば、合理的な選択とは言い難いでしょう。アップルについては、中国を中心とするサプライチェーンの移転が容易ではないことがここ数年でわかってきました。部品の集約、組み立てだけでなく物流の拠点などトータルのネットワークはそう簡単に移転できないでしょう。
WIREDの記事が強みと弱みをわかりやすく解説しています。
https://wired.jp/2020/06/20/china-future-of-apple-3/
実際アジアの他国に小規模ながら技術移転しても、現地スタッフへの教育、完成品の精度などに問題が起きていたという記事を読んだことがあります。そうなるとmade in USA を声高に訴えるトランプ大統領の言葉は虚しく思えます。こういうニュースを読む時は、もう一段高い視座も踏まえて考えたい。
「G7を構成する主要先進国が指導力を失い、G20も機能しなくなる“Gゼロ”の世界へと時代は突入しつつある。このようなリーダー不在の“Gゼロ”の世界では、地政学リスクを理解することが企業にとっても必要不可欠となる」
このGゼロの概念は、まさに。
是非読んでみてください。
「Value Report:Eurasia Group GZERO SUMMIT JAPAN 2018」
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/prmagazine/value-navi201902/gzero.html