【秋元里奈】暗黒時代。事業で大事なのは、タイミング・人・戦略
直近5カ月で登録生産者数は3倍、ユーザー数は17倍、月間流通額も35倍と急成長。社員十数人のスタートアップながら、7月から初めてのテレビCMを放映したほか、8月には6億円を資金調達するなど注目を集める。
秋元里奈社長は神奈川県相模原市の農家の生まれ。やりたいことがないことがコンプレックスだった彼女が見つけた心から打ち込めるものは、自分のルーツの中にあった。農業界を革新するレジェンドを目指す秋元社長の仕事の哲学とは。(全7回)
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食べチョクの秋元です。シゴテツ連載4日目は起業初期(暗黒期)についてです。
「農業に貢献する事業がしたい!」という想いだけでDeNAを飛び出し、ビビッドガーデンを創業。社名には【色鮮やかな(vivid)農地(garden)を取り戻す】という意味を込めました。
一緒にやってくれる仲間を血眼で探していましたが、とにかく断られ続け、創業から10ヶ月は社員ゼロ。副業のメンバーをかき集めて2017年8月(創業9ヶ月後)になんとか食べチョクの正式リリースまで漕ぎ着きます。
最初はスモールスタート、かつブランディングも意識して
・WEBのみ(アプリなし)
・農作物のみ
・有機栽培などのオーガニックに特化
で事業をスタートしましたが、限られたリソースでスケールさせるためには正解でした。
※現在は取り扱いを拡大しています(iOSアプリ、肉魚酒花などジャンル展開、慣行農法の生産者さん向け基準の設定など)。
2021年5月時点では購入会員数50万人を突破し、国内の産直通販サイトでは利用率No1になっています。事業にアドバイスをくれた方々、そして、何もないビビッドガーデンを信じてくれた生産者さん、入社を決めてくれた社員には心から感謝です。
そんなビビッドガーデン暗黒時代の詳細は、ぜひ記事をご覧ください!
食べチョク:https://www.tabechoku.com/
秋元Twitter:https://twitter.com/aki_rina
創業当初から着目しており、最近の快進撃は見事と感嘆しております。
私も元有機農業生産者で、その後「農家の台所」というまさに生産者のこだわりとキャラクターを「農家ポスター」
という形で前面に押し出し、味の違いをわかってもらうには生食だと、何でもかんでもサラダバーでだすレストランに関わっていました。
しかし、結果として私が今思っているのはメディアやエンタメとして生産者のこだわりやキャラクターを面白がるのはアリだけど
商品として価値が伝わりにくいこだわりを披露されても消費者にとっては面倒な説教にしか聞こえないということです。
実際私もさまざまな産地や生産者、栽培方法を取材し、自分でも100品目ぐらいは栽培していますが、気候や地質、地勢などの環境要因に比べれば
人間のこだわりの農法などは誤差の範囲だなと思います。
ほとんどの消費者が野菜に求めるのは「安さ」そして「なんとなくの品質保証」であってプラスで一部「地産地消」や「産地」「無農薬」ぐらいのところでしょう。
そして、日本の農産物はどんなに安く売っていてもそこそこ品質はいいし、消費者も不満はないというのが正直なところだと思います。
これからの小規模農家の生き残りはシビアな部分が多いと思いますが、私は農業、農家にこだわりすぎずに複合経営をして
昔の日本人がそうであったように売れるものはなんでも売り(農産物でなくても)、さまざまな職能を身につけた「百姓」に回帰するのがいいと思っています。
シリコンバレーのインキュベーター、Yコンビネーターでは創業メンバーが1人のスタートアップは受け入れないといわれています。社長が暴走するリスク、周りを巻き込めない、そして(マザーハウスの山口絵里子さんの本を読んでも感じましたが)本当にしんどい時に助けてくれる仲間がいないことの問題です。その意味で秋元さんはメンタルがすごいのか、社員1号さんがすごいのか、例外的(失礼!)に生き残った感があります。MBA学生にはなかなか薦めにくいなあ。
「タイミング、人、戦略」全くその通りとは思いますが、もう一つどうしても気になるのが「お金」です。ネットフリックスやピクサーだってお金が続かずに、つぶれかかったこともあるので。
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