[ロンドン 1日 ロイター] - IHSマークイットが発表した8月のユーロ圏製造業購買担当者景気指数(PMI)改定値は前月に続き2カ月連続で景況拡大と悪化の節目を上回り、製造業の景況感が回復基調にあることを示した。ただ、新型コロナウイルスのパンデミックが収束しない中、製造業各社は投資や雇用に及び腰になっている。

8月のPMIは速報値から変わらずの51.7。7月(51.8)からわずかに低下したものの、節目の50は上回った。

PMIの構成項目では、生産指数が55.6と7月(55.3)から上昇。速報値(55.7)から若干下方修正されたものの、2018年4月以来の高水準となった。

IHSマークイットのチーフ・ビジネス・エコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏製造業の生産は8月も力強く拡大し、コロナ禍による第2・四半期の落ち込みから急回復していることを裏付ける材料が増えた」と述べた。

ただ楽観度が2年ぶりの高水準にもかかわらず、製造業は人員を減らし、原材料の発注を絞っている。雇用指数は7月(42.9)からは改善してものの44.2と節目を依然大きく下回った。

ウィリアムソン氏は「パンデミックの今後の動向が不透明で将来の需要の強さへの懸念が続く中、企業がコストと支出、特に投資や雇用について慎重な態度を取っていることが、今回の調査での主なテーマだ」と述べた。