事業会社から調達して本当にシナジーが生まれるのか?
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最初からシナジー狙いで投資する、されるというのは成功しにくい。それほど魅力的な相乗効果ぎ生まれる何かがあるなら、記事にもある通り業務提携すれば良いだけのこと。スタンドアローンで生きていけない投資をシナジーという言葉でごまかすのは不幸のもと。
そもそも、シナジーが「頑張れば出る」というのが前提となってはいないだろうか。シナジーなんてそう簡単にはまず出ない。投資する側にしても、経営トップが投資とシナジーを真剣に考えるような企業ならCVCなどあまり作らないし、CVCに頼るような大企業は、事業と投資の部門が乖離していて、同じ名前でも別の会社。一丸となってシナジー創出を目指すというのは夢物語に近い。
もちろん、素敵なCVCも存在しますが、一番問題なのは、株主的なメンタリティを理解しないような大企業のCVCが、本当の投資家能力もないのに、シナジーを隠蓑にして冴えない案件にオカネを注ぎ込んでいることかも。投資される側としては、こうした目の曇ったCVCもどきは狙い目かも。シナジー期待ではなく、寛容なスポンサーとして。ただ、時間軸の違いにいらいらさせられることだろう。事業会社やCVCからの資金調達を検討するときに起業家が知っておくべきことを、Coral Capital創業パートナーCEOのJames Rineyが連続して解説しています。第2回めは、シナジーについて。
事業会社がスタートアップ投資をする最大の理由の1つはシナジーでしょう。どういう条件でうまく行きやすいか、あるいは難しいか、それが何故なのかを、事業会社側の人事体制や社内評価のインセンティブといったことで解説しています。期待されるシナジーと、そのために資本関係が必要なのかという2点が重要だと思う。
スタートアップが持っていなくて大企業が持っている事業に直結する資源は、知名度含めた信頼や、顧客など大規模なチャネル・プロセス。リアルテックの場合は特にIPや、最終製品もある(スタートアップはその部品・素材)。
ただ、それは資本を伴わない戦略提携でも究極的には得られうるものだと思う。また持っていることと活用することは違い、記事にあるように相互の会社・担当のインセンティブの違い、また目指している時間軸や社内プロセスにかかる時間軸も異なるのが現実。歯車のスピードが違うときにそれを組み合わせることは、現実として色々なコストがかかる。
そのうえで資本関係を結ぶ意味は何か?
一般的にスタートアップ投資はリスクが高い。ただ事業会社の投資は、事業会社にとっては実質的にリスクリターン特性を改善する側面があるのではないかと思う。まず投資までしているから逃げにくいし、資金繰りという観点でギリギリを走っているときに「生命維持装置」を付けられる(投資しているから生命維持装置が必要かという情報へのアクセスの早さ含めて)。あとは社会に拡大していく局面のファーストクライアント・パートナーとなることで成長が加速されれば、リターンが単独でやるより早期に得られる。投資をしていくことによって、リスクを下げてリターンを上げる(もちろん、そのなかで失敗するものも出てくるわけだが)。
ただ、スタートアップから見た景色では、戦略提携も拘束条件が増えがちだし、資本提携まで行けば一層のこと。そこの自信がある場合は突っ走ることも重要だと思う。
下記はMUJINとアスクルの対談のモデレーターをさせていただいたときの記事。MUJINの初期顧客だが、資本関係はなく、IPについてもかなり自由度が高いことが伺える。その後、MUJINはJD.comやファストリなどにもどんどん導入されている。
https://newspicks.com/news/3546708/body/