米ホテル大手、中国傘下の米社買収 トランプ氏売却命令
【ニューヨーク=野村優子】米ホテル運営大手MCRデベロップメントは31日、ホテル管理システムを手掛ける米ステインタッチを4600万ドル(約48億7000万円)で買収すると発表した。ステインタッチは中国企業が所有しており、トランプ米大統領が安全保障上の脅威になり得るとして3月に売却を命じていた。
ステインタッチはメリーランド州に本社を置く米国企業。2018年に中国の情報システム会社「北京中長石基信息技術」が買収していた。ホテル向けに予約状況や価格設定、清掃状況などの管理システムを提供している。MCRは米国内で「ヒルトン」や「マリオット」などのホテルブランドを運営している。
トランプ氏は3月、宿泊者の情報が中国当局に渡るリスクを警戒し、石基に対してステインタッチを売却するよう命じていた。これに対して石基は、「ステインタッチの顧客データにはアクセスしていない」と述べていた。
中国企業傘下の米企業を巡っては、北京字節跳動科技(バイトダンス)に対し、動画投稿サービス「TikTok(ティックトック)」の米国事業を売却するよう求めている。米マイクロソフト・米ウォルマート連合や、米オラクルなどが買収交渉を続けている。