[ベルリン 31日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が31日に発表した8月の消費者物価指数(CPI)速報値は、欧州連合(EU)基準(HICP)で前年比0.1%低下した。新型コロナウイルス感染拡大を受けた景気対策の一環として政府が実施した付加価値税率(VAT)の引き下げを反映し、2016年5月以来、初めて低下した。

連邦統計庁は「インフレ率に影響を及ぼした要因の1つとして、7月1日に施行された付加価値税率の引き下げが挙げられる」とした。

前月比では0.2%低下。ロイターがまとめた予想は前年比、前月比ともに変わらずだった。

連邦政府は7月1日、コロナ経済対策の一環として、食品に対するVATを19%から16%に、他の品目を7%から5%にそれぞれ引き下げた。同措置は12月末まで維持される。VAT引き下げに伴う連邦政府が負担するコストは最大200億ユーロ(240億ドル)の見通し。

INGエコノミスト、カーステン・ブレゼスキ氏は、金融および財政刺激がいずれインフレ圧力押上げに寄与するとしつつも、独CPI統計は「足元、明らかにインフレよりもデフレが喫緊の課題であることを示唆した」と指摘した。