[イスタンブール 31日 ロイター] - トルコ統計庁が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)は前年比9.9%減で、約10年ぶりの縮小となった。

市場予想(11.8%減)ほどの落ち込みにはならなかったものの、世界金融危機だった2009年(4.7%減)以来のマイナス成長となった。

前期比(季節・日数調整後ベース)でも11.0%減と歴史的なマイナスとなった。

トルコは5%を超える成長を続けていたが、2018年の通貨危機で暗転、今年は新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われ、リラが再び最安値を更新している。

リラ相場への影響は限定的。対ドルで小幅安の7.3400リラで推移している。

第1・四半期は前年比4.4%増に小幅改定された。

第2・四半期は金融セクターが28%拡大する一方、製造業とサービス業は16%、25%それぞれ縮小した。6月に経済の大部分が再開したが、ここ数週間、感染者数が増加している。

コロナ禍で主要産業の観光が深刻な打撃を受けており、今年はマイナス成長が予想されている。

テラ・ヤティリムのエコノミスト、エンバー・エルカン氏は「今年の残りの期間は、パンデミックと、特に民間消費需要の回復次第となる。今年、プラス成長を達成するのは難しそうだ」と述べた。

今年マイナス2%─プラス1%の成長を予想するアルバイラク財務相はツイッターで、GDP統計は他国に比べれば良い内容だとし、政府は2021年にかけてコロナ禍の影響を払拭する決意だと述べた。

トルコ中央銀行は2019年半ばから積極的に利下げしてきたが、ここ数カ月はリラが最安値を付ける中、政策金利を維持している。

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