エスパー氏「中国が悪意ある行為継続」日米防衛相、南シナ海の現状変更反対

米領グアムでエスパー米国防長官(左)と会談する河野防衛相=29日(防衛省提供)
米領グアムでエスパー米国防長官(左)と会談する河野防衛相=29日(防衛省提供)

 河野太郎防衛相は29日、米領グアムにあるアンダーセン空軍基地を訪問し、エスパー米国防長官と2時間にわたり会談した。南シナ海は中国軍が26日に弾道ミサイルを発射し、緊張が高まっている。河野氏は地域の不安定化を招きかねないとして、事態を注視する方針を伝えた。両氏は中国が挑発的な活動を続ける東、南シナ海情勢をめぐり「一方的な現状変更の試みに反対する」との考えで一致した。

 両氏が直接会うのは約7カ月ぶり。エスパー氏は会談の冒頭で「中国が東、南シナ海で近隣国への悪意ある行為を継続している」と指摘。地域を不安定化させる中国の行動に反対する意向を示した。河野氏も「この半年間、世界は劇的に変化した。力と威圧による現状変更の試みがあるからだ」と述べた。

 河野氏は中国機による日本領空への度重なる接近や中国軍とみられる潜水艦の航行といった東シナ海方面での動きや、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国公船の連日の航行などの現状を説明。両氏は尖閣諸島が日米安全保障条約第5条に基づく米国の対日防衛義務の適用対象であることも確認した。東シナ海の平和と安定の確保のため連携を強める方針でも一致し、中国を牽制(けんせい)した。

 地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」の日本国内への配備計画断念を受けた代替の弾道ミサイル迎撃システムや、新たなミサイル防衛のあり方については、河野氏が日本側の検討状況を伝えた。

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