2020/8/29

【ブーム】コロナで広がる「ワーケーション」最新事情

The New York Times

リモートワーカー向けビザが人気

デラウェア州ウィルミントンのフレイレ・チャータースクールの高校教師ラミン・ゴベは7月に、ソーシャルメディアのある投稿に興味をそそられた。カリブ海のバルバドスで12カ月間、リモートで働けるという。
「私の学校は、少なくとも2021年2月までは対面授業ができないでしょう。私は、より安全で、健康に対する意識が高い国で、質の高い生活を楽しみたいのです」と、ゴベは一時的な移住を検討している理由を説明する。「学校の運営者に問い合わせると、私の決断を快く支持してくれました」
バルバドスは7月中旬に、リモートワーカー向けに最長12カ月のビザ「ウェルカム・スタンプ」の導入を発表した。エストニア、グルジア、バミューダ諸島などいくつかの国が同様に、特別なビザを創設するか既存の制度を拡大して、リモートワークをする外国人の長期滞在を誘致している。
バルバドスへの一時移住を決めた、高校教師のラミン・ゴベ(Steve Legato/The New York Times)
その大きな理由は、観光客の著しい減少だ。
「観光は国の生命線です」と、バルバドスの観光マーケティング会社のアメリカ担当ディレクター、エウシ・スキートは言う。バルバドス中央銀行が発表したデータによると、2019年の同国のGDP(国内総生産)のうち14%を観光が担う。国外からの訪問者は過去最高の71万2000人以上。それが2020年は、4月、5月、6月と、ほぼゼロが続いた。
リモートワーカー向けの新しいビザは、これらの数字に貢献するだろうと、スキートは言う。「12カ月あれば、この国を総体的に体験してもらえるでしょう」
受付開始から1週間以内に世界中から1000件以上の申請があり、バルバドスによると、アメリカ、カナダ、イギリスが大半を占めている。
ゴベの申請は8月中旬に承認され、9月中旬に現地に向かう予定だ。
バルバドスの首都ブリッジタウンの街並み(Wolfgang Kaehler/LightRocket via Getty Images)

場所に依存しないライフスタイル