[フランクフルト 26日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のシュナーベル専務理事は26日、マイナス金利政策の副作用は次第に増大していくとの認識を示しながらも、ECBにはマイナス金利政策の実施が必要になる基調的な問題を解決する能力はないと述べた。

ECBは2004年にマイナス金利政策を導入。金利は予想より長期間にわたりマイナス圏にとどまり、現在は向こう10年程度金利がプラス圏に戻らないとの見方が市場で出ている。

シュナーベル専務理事は講演で「他の非伝統的な政策措置と同様、マイナス金利政策が長期間にわたり導入され続ければ、副作用は時間の経過とともに増大していく」と述べた。

その上で、ECBはマイナス金利政策の影響緩和に向け銀行支援策を導入してきたとし、「(低金利により金融機関の仲介機能が損なわれる)『リバーサルレート』の正確な水準はまだ分からないが、現時点での推計では実効的な下限には達していない」との見解を示した。

ただ、基調的な問題の解決はECBが担う責務の範囲内にはないとし、「マイナス金利政策は中央銀行が担う責務の範囲外にある負のマクロ経済トレンドをおおむね反映するため、潜在的な経済成長率の押し上げには各国政府による新型コロナウイルス感染拡大への強力な政策対応が必要不可欠となる。その結果、将来的にマイナス金利脱却に道が開ける」と述べた。