2020/8/27

【核心】ABEMAには、"ハウス・オブ・カード"が必要だ

岡 ゆづは
NewsPicks編集部 記者
2016年にサイバーエージェントが生んだ動画配信サービス、ABEMA。
NetflixやAmazon プライムビデオなどが既に上陸を果たし、後発としてスタートを切りながらも、1週間で1000万人以上が訪れるメディアへと成長した。
しかしいまだ、Netflixの「ハウス・オブ・カード」やアマゾンの「バチェラー」に匹敵するメガヒットコンテンツは生み出せていない。
恋愛リアリティ「オオカミくんには騙されない」など話題作はあるものの、視聴対象は若者が中心で、社会全体を熱狂させるような作品はまだない。
強力なライバルたちに対抗すべく力を入れるオリジナルコンテンツで、ABEMAはいかにメガヒットを生み出すのか。
資金力で劣るサイバー流の戦い方を、ABEMAで制作局長を務める谷口達彦氏に話を聞いた。

「オリジナル」が必要な理由

──近年、オリジナルコンテンツの制作に力が入っています。
動画配信プラットフォームが群雄割拠し、これから淘汰が始まっていく中、他と差別化する鍵になるのは「ここでしか見られないもの」です。
オリジナルコンテンツによって、これが見たいからABEMAに来るという状態をつくらないといけません。
谷口達彦(たにぐち・たつひこ)株式会社サイバーエージェント 執行役員・ABEMA編成制作本部制作局長
2006年、新卒でサイバーエージェントに入社。現在はABEMAオリジナル番組制作の責任者を務める。
──しかし開局当初、藤田社長はコンテンツよりもUI・UXといったプロダクト開発に大半の時間を割いていたようですね。