報酬現金に秋元議員の指紋 証人買収、自ら準備を裏付けか
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刑事事件の捜査対象は大きく分けて「凶行犯」と「知能犯」があります。前者は殺人や強盗、放火などで、後者は詐欺や贈収賄、背任などです。「指紋」というのは、凶行犯の捜査の定番中の定番です。警視庁捜査一課担当で凶行犯を追っていた私は、指紋の担当官を懸命に回ったものです。その「指紋」が、知能犯捜査の本丸の東京地検特捜部の証拠固めに使われたことに、少々驚きました。それだけ検察は本気であり、考えうるあらゆる捜査をしていることが伺えます。
この情報を流した側にはもちろん意図があると考えるのが筋。
不逮捕特権が国会議員は会期中には「ある程度」認められていて、会期中には新規に逮捕できないし、会期前の逮捕なら会期中は国会の要求があれば釈放しないといけない。これは憲法の規定。
こうした情報を流すということは、議会側に彼の汚職としての罪を認識して会期中の釈放要求等が出ないようにするための楔と考えるのが自然。
そもそも今回の案件は保釈が一旦成立したあとの再逮捕。保釈成立の段階で彼は議員としての政治活動を再開させようとした。無罪が確定した後の再開でも罪を償った後の再開でもない。その中での再逮捕。
そのため、「この再逮捕は言論弾圧か」という観点を持ち込む必要がある。本来なら保釈後なんだから言論弾圧であり、そうでない妥当性を説明する必要がある。
推定無罪の原則は日本には存在する。
そのため、彼を有罪と断じるのは本来できない。
しかし、このリークはその可能性が限りなく濃厚であり、この段階で罪も償っていないのに政治活動を再開させようとする、という彼を支持する者への楔とも取れる。
正直、私は保釈後に彼が直ちに政治活動を再開させたことには驚いた。身の安全の確保は前提としてもまずは自らの裁判が先である。
彼は思想犯ではない。彼は文字通り金銭の絡んだ汚職の疑惑が現在問われている。
自らの身の潔白を示すならまずは裁判に専念すべき所。単なる疑惑のマスコミ報道レベルとは違い、議員本人が逮捕されている事態ということを認識すべき。
それをわきまえず政治活動を再開させようとした彼のあり方が問われている。
この報道だけ素直に見れば、彼は汚職に関わった罪のある人間なんだろうという印象は、恐らく多くの人は持つ。
