2020/8/20

【完全解説】複雑な「海運ビジネス」をゼロから理解しよう

NewsPicks編集部
海運業界の複雑さが、あらわになったニュースだった。
アフリカ南東部の島国モーリシャスの沖合で7月26日、大型貨物船「わかしお」が座礁し、約1000トンの重油などの燃料が海に流出した。
同国は8月16日までに貨物船の船体が完全に割れたことを発表。さらなる燃料流出のおそれもあり、海洋生物などへ深刻な海洋汚染が懸念される。
この事故は当初、日本の大手商船会社「商船三井」の船だと報道され、経営陣が謝罪会見まで行なった。
ただ、モーリシャス政府が賠償請求をする方針を表明したのは、この船を所有していた「長鋪汽船」に対して。「商船三井」への賠償責任はないとされる。
さらにこの船の国籍にあたる船籍はパナマ、船員はフィリピンやインド人など、登場人物が多く、海運業界との関わりがない人にとっては、あまりに構図がつかみづらかっただろう。
そこで今回はニュースをきちんと理解できるように、この業界に詳しい東海大学海洋学部の山田吉彦教授に海運ビジネスの仕組みについて、詳しく解説してもらった。

海運は「世界経済の縮図」だ