ティファニーがダイヤモンドの原産地公開を宣言、透明性向上へ
コメント
注目のコメント
原材料調達・生産工程の透明性向上は、ファッション業界全体の潮流ですね。
現在、紛争ダイヤモンドでない証明となるキンバリー・プロセス認証を受けたダイヤモンドは99.8%だといいますが、キンバリープロセスは労使問題や環境破壊、密輸などの問題についてはカバーされていないため、情報開示の声が高まっていました。
ダイヤモンド生産による環境への影響についてですが、鉱山開発や採掘による二酸化炭素排出、森林や生態系の破壊、水資源の大量利用などが課題視されています。しかし合成ダイヤモンドも大量の電気エネルギーを数日間使用するような生産方法であるため、これに伴う二酸化炭素排出量は無視できません。
Diamond Producers Associationによると、1カラットの天然の研磨済みダイヤモンドの二酸化炭素排出量が同じ大きさのCVD(化学蒸着法)合成ダイヤモンドと比べて小さいとのこと。(鉱山の規模や開発方法などによって結果は変わってくると思いますが。)また、ダイヤモンド採掘過程のカーボンニュートラルを目指したプロジェクトも発足しているようです。https://jja.ne.jp/news/pdf/Diamond_Truths_JA.pdf
このため、合成ダイヤモンド製造業界だからといって環境に優しいと思いこまず、エネルギー効率を高める製造方法を確立する、カーボンニュートラルへ取り組むなど、努力が必要と考えられます。レオナルド・ディカプリオが投資したことで有名な、合成ダイヤモンドのDiamond Foundry社は水力発電式の装置を使用し、既にカーボンニュートラル認証を受けているようですね。https://www.vogue.co.jp/fashion/jewelry/2018-12-14/lab-grown-diamonds/cnihub
結論として、天然・合成問わず原材料調達・生産工程の透明性を向上させることは良い流れだと思います。一方で、開示内容を消費者がきちんと理解し、評価するための仕組みや評価軸も必要であると感じています。ダイヤモンド業界のサステナビリティー重視の動きについては、以下記事が参考になります(手前味噌ですが)
「ダイヤモンドは永遠に」を守るため ジュエリー界にもサステナビリティの波
https://globe.asahi.com/article/13023328
「「エシカル」を仕事にする。 白木夏子さんが見つけた、海外で活躍するヒント」
https://globe.asahi.com/article/12872498今頃になって。。
中国のダイヤモンド取引、ブロックチェーン採用で真贋証明 テンセントなど3社が提供へ
https://coinpost.jp/?p=124147
ただダイヤモンドの真贋はともかくとして、Everledgerの原産地証明書はどこまで担保してくれるのか。
ダイヤモンドに限らず、モノの真性性を証明するには、ブロックチェーンとは別の仕組みも必要。