会社員を辞めて「何か始める」なら。頼れる8つのサブスクと2冊の本

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世の中が「コロナ一色」だった数カ月を経て、われわれは今新しい日常、新しい働き方を模索している。

こんな不確実な世界と時世に、あなたは何に拠り所を求めるだろうか。この先、何が起きても後に後悔せずにすむ、衷心から打ち込める道は何なのか。

たとえば今いる会社にこの先ずっとは「勤め続けない」という選択に、一瞬、思いが泳ぐことはないだろうか。

出版社数社での編集経験後、ひとり出版社「明幸堂」を立ち上げた高良和秀氏が、事業を始める際に頼れる情報ソースや使えるサービスについて、アドバイスをしている。以下、「版元ドットコム」より転載して紹介しよう。


2018年3月に明幸堂という出版社を始めました。

それまではイースト・プレスという出版社に10年おり、当たり前のように職場があって机があってパソコンがあってコピー機が使えて……みたいな環境だったわけですが、会社員でなくなってみると、社会保険(健康保険と年金)や税金(所得税と住民税)など含め、あらゆるインフラを全部自前でなんとかしなければならなくなります。

働く時間も休日も自由なので、自分でいろんなルールを設定していかないと結構グズグズになりかねません。

そういうわけで、創業してまだ2年ではありますが、この間いろいろ、仕事や生活のなかで試してみたサービス(主に月々の利用料を支払って利用するもの)でよかったものをご紹介したいと思います。

シェアオフィス


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自転車で10分くらいのところの自治体がやっているシェアオフィスを利用してます。月1万円(ポスト・ロッカー込み)です。会社員を長くやっていた自分のような人間には、とりあえず「職場に行く」という行為がないとスイッチが切り替わらないので職場は必須です。

あと複合機が使えるのがありがたいです。スキャン(ソート)は無料。赤字を入れたゲラをPDFにできるのは助かります(コンビニではソートできないので)。ただしコピー(出力)は1枚10円なので、一冊分のゲラを出すと1000円とか2000円とかかかります。しかしながら、出力するのはほんの数回で、ゲラへの赤入れは基本的にはiPadとApple Pencilでやってます。これがすごい便利で、百万年書房の北尾さんも「創業した時の唯一の初期投資がiPad」と言ってました。

プール


人によっては、ジョギングだったり筋トレだったりサウナだったりヨガだったり、頭と体をしゃきっとさせる方法はいろいろあると思いますが、自分にとっては水泳がそれです。毎日昼ごろに泳ぐと、その後の集中力が増します。会社員のときも、会社の近くのジム(水道橋のエスフォルタ)に毎日泳ぎに行ってました。

同じように水泳を日課としている人が知り合いにも何人かいますが(テリー植田さんとか、さばのゆの須田さんとか)、他にもいないかと思って『天才たちの日課』(フィルムアート)という本で探してみたら、ひとりだけいて、それがオリバー・サックスでした。

「水泳をすると、心身のスイッチが入るんだ。ほかのなによりも効く。だから一日の初めに水泳をする。これを欠かすと、忙しさや怠惰に負けて、集中できなくなってしまうんだ」とのこと。

クラウドの会計ソフト


freeeとMFクラウドの2つが有名ですが、MFクラウドのほうを使ってます。フリーランスの方の大半はどっちか使ってると思いますが、個人用と仕事用の口座とクレカ、あとamazonのアカウントなどを連携させておくだけで、経費清算も確定申告もすごい楽です。こういうのがある時代で本当によかったと思います。
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文=高良和秀 編集=石井節子

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