富士フイルム、英国政府向けコロナワクチン候補の原薬製造を受託
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富士フイルムが受託したノババックスのワクチンは、他の多くのワクチンとはまた毛色の異なるワクチンです。
多くのワクチンが、遺伝子情報を体に届ける核酸ワクチン、ウイルスベクターワクチンや、不活化したウイルスを用いる不活化ワクチンのプラットフォームを用いているのに対して、ノババックスのワクチンは、ウイルスの構造の一部を模倣したタンパク質を製造してそれを接種してもらう「タンパクワクチン」です。
動物実験レベルでは、他のワクチンと比較しても高い抗体価を示しており、第一相試験で重篤な副作用を認めておらず、今のところ順調に経過しています。現在は南アフリカを中心に第2相試験が進行中です。富士フイルム株式会社の子会社,FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)が、英国政府が調達する新型コロナウイルスワクチン候補の原薬製造を受託します。受託するワクチンは米国ノババックス社の開発しているワクチンで、英国拠点にて製造します。FDBは7月28日には米政府からの依頼を受託した旨も発表しています。
このワクチンは新型コロナウイルスが細胞への侵入に使うスパイクタンパク質を使用するものです。FDBはワクチンだけでなくホルモン製剤や抗体医薬品を開発・生産してきている歴史があるため、その設備とノウハウに信頼が寄せられているのだと考えられます。
プレスリリース
8/17 イギリスからの受託
https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/5283
7/28 アメリカからの受託
https://www.fujifilm.com/jp/ja/news/list/5252