2020/8/17

【新常識】社員が戻りたくなるオフィスとは

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この記事は、NewsPicksのグループメディア米Quartzの特集「Reimagining the office(オフィスを再定義する)」の1記事の翻訳です。あわせて、日本版Quartz Japanがニュースレターとしてお届けする「オフィスの再想像」もご覧ください。

出勤は「日帰り旅行」

パンデミックの最中にオフィスを再開する企業は、2つの難題を突きつけられる。
1つは施設を安全な場所にすること。そしてもう1つが、「ここなら安心して働ける」と従業員を納得させることだ。こうした物理的・心理的ハードルをクリアしようと、この数カ月間、建築家やエンジニア、デザイナーは知恵を絞ってきた。
コロナ危機を受け、新製品がスムーズに市場に出回るよう米食品医薬品局(FDA)が規制を緩和したこともあって、今では笑いを誘うものから冴えたデバイスまで、オフィスを安全にするさまざまな製品が手に入る。
だが、パンデミックが始まって、7カ月が経ち、ますます多くの企業がオフィス勤務の意味を問い直している今、もはや試作品のようなデザイン性度外視の代物ではらちが明かない。
新型コロナウイルスの感染拡大を効果的に食いとめ、なおかつオフィス勤務が楽しく、美しいとさえ言える経験になるようなデザインソリューションが求められているのだ。
(写真:martin-dm/iStock)
「オフィスに復帰したいと従業員に思わせるのが、第2段階です」とオフィス再開に向けたデジタルツール・コレクションを発表したスタートアップ、ロビン(Robin)の共同設立者でCEOのサム・ダンは言う。
優れたデザインを取り入れればオフィスは病院のようではなくなるし、秩序を取り戻すこともできると、ダンは強調する。
「最近は会社に行くと、空港でセキュリティーチェックを受けているような気分になります。そうではなくて、旅行の計画を立てるときのワクワク感を演出したいんです。多くのオフィスワーカーにとって、今や出勤するかどうかは本人次第。企業は出勤を日帰り旅行のようにとらえ直すべきなのです」
健康と幸福を危険にさらして出社するのだから、オフィスはそれだけの価値のある場所であるべきだ。

美しく、前向きになれる職場を