2020/8/16

【検証】資産運用のプロが判定。「FIRE本」3冊の再現性

楽天証券資産づくり研究所 ファンドアナリスト CFP® 1級FP技能士
若いうちにリタイアを果たし、不労所得で自由に暮らす──。

夢の「FIRE」ライフは、果たして日本のビジネスパーソンにも実現可能なのか?

既刊の関連書籍3冊を、資産運用のプロ・楽天証券研究所の篠田尚子氏が読み比べ。その「再現性」を評価してもらった。

日本人向けのローカライズは必須

今回、3冊の「FIRE本」を読んでみて、日本の一般的なビジネスパーソンにとっても、著者たちの手法は「再現性がある」と感じました。
ただし、現在の日本の状況を考慮して、留意すべきポイントもあります。特に、海外の2組については、アメリカとカナダの事例であるため、ローカライズが絶対に必要です。
ローカライズというと小難しく聞こえるかもしれませんが、要は「日本に住んで、日本円で給料を受け取っている日本人」として妥当な投資手法をとりましょうということです。
これから、そのポイントを解説していきたいと思います。

運用リターンは「年5%」で考える

FIREの基本的な考え方とは、なるべく短期間で「リタイア資金」を貯めること。そして、リタイア後はなるべく高利回りで資産を運用しながら、元本は崩さずに、リターン分を生活費に充てることです。