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この発表は歴史的だ。
アラブ首長国連邦(UAE)は湾岸諸国でイスラエルと初めて国交を正常化し、アラブ諸国では(エジプトとヨルダンに続き)イスラエルと公式の外交関係を持つ3か国目の国となった。

トランプ政権にとっても外交成果となると同時に、中東地域での戦略的パートナーとなるよう米国の友好国であるイスラエルとUAEを今回の合意に至らしめたイランの存在も拭えない。
電撃的な発表です。サウディアラビア+UAEのイスラエルとの関係改善は既定路線でしたが、サプライズといえるスピードです。
 イスラエルという国は、1948年の建国以来、4度の中東戦争に勝利することで生存してきた国です。イスラエル外交の基本は、米国の後ろ盾によって軍事力で周辺のアラブ諸国を圧倒しつつも、敵を減らしていくことです。これは容易ではなく、財政的にも軍事費が非常な負担になります。
 イスラエルは、トルコとは建国以来、同盟関係にありましたが、初めてアラブ諸国との関係正常化に成功したのは、1979年のイスラエル・エジプト平和条約です。これは、1973年の第4次中東戦争に勝利することでもぎ取った成果です。米国の仲介で実現し、世にキャンプ・デービッド合意と呼ばれます。
 一方、アラブ諸国側を見ると、1948年のイスラエル建国と同時に始まった第1次中東戦争以来、4次に渡る中東戦争の目的は、イスラエルを倒してアラブ人の領土を回復することでした。ユダヤ人が欧米やロシアから移住して来てイスラエルという国家をつくった、アラブ人の一派であるパレスティナ人の土地が奪われ、難民化した、土地を取り返さねばならない、というのが「アラブの大義」と呼ばれたものです。
 4次に渡る中東戦争に敗れた結果、アラブ諸国の現在の本音は、「もう疲れた」「イスラエルに勝てるわけがない」といったところでしょう。そうはいっても、負けたからイスラエルに屈服する、というのでは国民に対する体面が保てません。今回、イスラエルがユダヤ人入植(=パレスティナ人自治区の土地の接収)を一部停止する、というのは、UAEの体面を保つための手土産です。
 2010年代から、中東の国際秩序は大きく変動してきています。アラブ・ムスリム諸国が割れて、サウディアラビア+UAE+エジプト連合が、トルコ+カタール連合と対立し、各地で衝突しています。伝統的に、イスラエルの同盟国であったトルコは、エルドアン政権成立後、イスラエルの敵に回りました。
 サウディアラビア側は、この対立軸で優勢に立つために、イスラエル(+後ろ盾の米国)と組むべきだ、という発想です。米国はこの路線を促進してきました。イスラエル支持層から見ると、トランプ政権の手柄といえます。
イスラエルとUAEが国交正常化で合意とのニュースは、暁のサプライズだった。中東地域での和平合意は1994年7月、イスラエルのラビン首相がパレスチナの国際法上の領主ヨルダンとの戦争状態終結を宣言して、10月に平和条約を結んだとき以来のこと。次の3つの点で注目。
(1)トランプ政権が仲介して、合意に到達した。米国、イスラエル、UAEが共同で声明でイスラエルとUAEが国交を正常化することで合意したと発表した。アメリカが「保証人」になった。トランプ政権の外交成果である。
(2)合意内容が具体的であり、3者が真剣に慎重に、秘密裏に話しあってきたことがわかる。つまり、数週間以内に投資や安全保障、それに大使館の設置など、さまざまな分野で2国間の合意に調印することになっている(最後にチャブ台返しがなければ)。合意を踏まえてイスラエルが検討していたヨルダン川西岸の一部のユダヤ人入植地の併合を一時停止する。
(3)中東の国際関係の構造に影響を与える次元の話。イスラエルは1948年の建国以来、アラブ諸国と対立関係にあって、エジプトとヨルダンを除いて国交がなかった。

ところで、最近、トランプ外交の「流儀」が目立っている。「サプライズ」「秘密外交」「地域国際関係の構造的変化を導く狙い」の3つがキーワード。中東情勢の変化は朝鮮半島を考えるヒントになる。7月、トランプさんが米朝首脳会談への期待を表明した直後、ビーガン国務副長官が北朝鮮と協議する考えを鮮明にして韓国と日本を訪問した。この動きは、「トランプ大統領が主導して米朝首脳会談を続けて北朝鮮に核施設放棄の追加措置を受け入れさせ、譲歩を勝ち取り、米朝間で終戦宣言を纏めたあと、米朝連絡事務所の相互設置、そのあと南北和解を実現し、アメリカは朝鮮半島をビジネスチャンスの地としたい」というトランプ大統領の考えからきている。米朝首脳会談のあと米国が仲介して韓国と北朝鮮を和解させて、朝鮮半島の軍事対立を緩和して、在韓米軍を減らして、朝鮮半島の緊張緩和を図る。その主導権をトランプさんが握るという構想である。ただそのあたりのトランプ大統領の思惑を北朝鮮の政策決定者が読みきれていないことで、朝鮮半島問題は中東問題のようにはいかない。
これまでUAEとイスラエルの接近の予兆はあったし、水面下で動いていたことも多々あったが、米大統領選挙前にこんな形で出てくるのはやはり驚き。しかしネタニヤフの演説を聴いていると、ヨルダン川西岸での主権を破棄したわけではないことが強調されており、入植停止も一時的。
時期としては電撃的な発表ではありますが、流れ的には専門家の間では既定路線ではありました。

この伏線にあるのが1月末にトランプ米大統領が発表した中東和平案、通称「世紀の取引」です。
その内容は、ヨルダン川西岸地域のユダヤ人入植地をパレスチナ自治区ではなくイスラエルに編入し、逆にイスラエル領内のパレスチナ人地区をパレスチナ自治区に編入することで領土交換をするというものです。
又これによりイスラエルの首都はエルサレムとなる一方、パレスチナの首都は東エルサレム郊外のアブーディス地区となり、2カ国がエルサレムを首都として共存することになります。

このトランプの提案はパレスチナに領土的には多くの譲歩を迫るもので、表向きはアラブ諸国の反発を招きました。
しかし実際のところ迫りくるイラン(そして潜在的にはトルコ)の脅威の前に、パレスチナ問題はいい加減カタをつけて、湾岸諸国は共同して対応すべきという意見が強く、水面下でその落とし所を探っていたのが昨今の現状だったのです。

UAEはこの所イエメンやリビア政策ではサウジとは一線を画した勢力拡張政策をとっており、共同歩調ではなくサウジに先行してイスラエルと国交正常化に乗り出すのは納得のいく所ですが、同時に世紀の取引の支持も表明したということになるわけです。
これによりトランプの「世紀の取引」がパレスチナ和平の下敷きになることはほぼ間違いありませんが、一方でイランに後押しされたヒズボッラーなどの反発は必死で、イランもそれに便乗する形で揺さぶりをかけてくる可能性もあります。
その出方によってトレンドが中東和平が進むか、あるいは逆に新たな戦乱に向かうかが予測されることになるでしょう。
イスラエルを国家として認めないアラブ諸国が圧倒的多数の中で、UAEが国交正常化に踏み切ったのはサプライズ。対イラン包囲網強化の一環と見るべきだろう。オバマ政権下でのイランとの核合意を覆して制裁をするトランプ政権の、対イラン圧力のカードがもう1枚切られたと理解できる。

置いてけぼりになるのはパレスチナで、実際UAEの判断に反発していると伝えられている。今回の国交正常化が地域の平和と安定に寄与する「良いこと」かどうかは立場によって異なる。
トランプ政権がイラン包囲網のために、共通の敵を持つもの同士に握手をさせた合意、そんな印象を持ちました。かつてアラブ諸国がまだ一致してパレスチナを支援していた時代にエルサレム特派員をしていた身には、歴史的感慨を覚えます。
イスラエル建国から4度の中東戦争、2度のインティファーダ(パレスチナの対イスラエル闘争)と、これまでの歴史で常に基底にあった「イスラエル対パレスチナとその背後にいる周辺アラブ諸国」という構図がもう過去のものになりつつあることがはっきりと示されました。他のアラブ諸国がどこまでUAEに続くかどうかは見通せませんが、2年前にネタニヤフ首相が訪問しているオマーンは可能性がありそうです。
パレスチナ問題は明らかに解決が遠のきました。イスラエルが今回、条件としてのんだ「ヨルダン川西岸地域の一部(=ユダヤ人入植地)の併合の停止」もあくまで一時停止であって、将来の併合オプションを放棄したわけではありません。国内政治的には、ネタニヤフ首相が「併合一時停止を受け入れる」と表明したことはだいぶリスクを取ったといえますが、イスラエル・パレスチナ関係の実質においてはあまり大きな意味はないと言えます。

「いま中東を分けるのは、対ISの闘いの「勝ち組」と「負け組」 酒井啓子氏が読む」(2018年のアーカイブ記事)
https://globe.asahi.com/article/11809687
イランの脅威と米国のプレッシャーによって、UAEが電撃的にイスラエルと和解した構図だが、中東の盟主を自負するサウジアラビアが今度どう出るかが焦点だろう。問題は対イラン同盟が形成されたとしても、中東情勢が安定するには時間がかかるということだ。仮にサウジがイスラルと和解すれば、イスラエルはイラン空爆のルートを確保したも同然となり、戦闘のリスクが高まる可能性も否定できない。
パレスチナ自治政府は、早くも13日夕、イスラエルとアラブ首長国連邦との関係を正常化するという合意に抗議して、駐アブダビの大使を「即時に」引きあげることを発表した。
イスラエルとアラブの諸国との関係を劇的に買えるかもしれない突破口。取引として、イスラエルは西岸地区での併合計画を中断。
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