[11日 ロイター] - 海外投資家は7月にアジア株を買い越した。買い越しは2カ月連続。アジア経済の回復を背景にハイテク株の買いが膨らんだ。

インド、インドネシア、フィリピン、韓国、台湾、タイ、ベトナムの各証券取引所のデータによると、海外勢の7月の買い越し額は12億ドル。6月は44億ドルの買い越しだった。

アジア太平洋株価指数<.MIAP00000PUS>は7月に4.29%上昇。ハイテク株が12.8%値上がりした。

ANZのアジアリサーチ担当トップ、Khoon Goh氏は「世界的に潤沢な流動性、アジア経済の回復、アジアでの新型コロナウイルスの感染ペース鈍化を背景に資金が流入した」と指摘。「ドル安もアジアの資産価格を支える要因となっている」と述べた。

地域別では、ハイテク株の多い韓国株が7億2560万ドルの流入超。台湾株にも1億8939万ドルの海外資金が流入した。

流入額トップはインド株で、10億2000万ドルの流入。新型コロナの感染拡大が懸念されているにもかかわらず、海外資金が流入した。

一方、タイ株は3億1530万ドルの流出と、11カ月連続の売り越しとなった。フィリピン株も1億2400万ドルの流出で、9カ月連続の売り越し。

フィリピンでは6月のロックダウン(都市封鎖)解除後に、新型コロナの感染者が7倍近く増え13万6000人を超えた。死者も2倍以上に増えている。マニラ周辺では先週、ロックダウンが再導入された。

インドネシア株とベトナム株も、7月は海外資金が流出した。

IGのマーケット・ストラテジスト、Jingyi Pan氏は「強弱まちまちだ。中国を除くアジア市場は、全体としては年末に向け回復するとみられる。投資家が慎重に市場に戻ってくる可能性がある」と述べた。