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このあたりが良い話。

(以下抜粋)
そんな中島を一躍有名にする製品が90年代後半に誕生する。アナログ通信方式からデジタル方式に切り替わった携帯電話で、送受信の電波を切り替えるのに使われる「スイッチプレクサ」と呼ばれる部品だ。それまで使われていた「フィルター」に比べて、サイズを格段に小さくすることを可能にした。

スイッチプレクサは、中島が焼鳥屋で描いた回路図をもとに開発された。当時、携帯電話のトップメーカーだったスウェーデンのエリクソンの技術責任者が来日。焼き鳥を囲んだ会食の席で、エリクソンの責任者が「通信部品はもっと小型にできるんだ」と新技術のイメージ図を中島に見せた。中島はすぐさま「こうした方がさらに小さくなる」と、手持ちのリポート用紙に新たに回路図を書き上げた。
スイッチプレクサにより、携帯電話の小型化が進んだ。現在のスマホや携帯電話は中島が考えたスイッチプレクサがさらに改良された技術を使っているが、原理は当時から大きく変わっていないという。現代人の必需品を支える技術の1つが、技術研究の手を緩めなかった中島のアイデアから生まれたと言っても過言ではない。
中島のもう一つの功績が、現在では主力顧客となっている米スマホメーカーとの取引拡大だ。携帯音楽プレーヤーに無線通信技術を載せたいという顧客企業からの要望に、「音楽プレーヤーに通信機能が必要なのか」と半信半疑で小型無線通信技術を開発。ここで得た取引関係が、後に世界で最も有名なスマホへの部品供給につながった。