[7日 ロイター] -

<為替> ドルが上昇した。7月の米雇用統計を受け、雇用市場に対する投資家の懸念が一部和らいだ。ただ、週間では7週連続で下落した。

米労働省が7日に発表した7月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から176万3000人増と、伸びは予想の160万人を上回った。ただ、過去最大となった前月の479万1000人からは大きく鈍化した。

アクション・エコノミクスの為替調査部門ディレクター、ロン・シンプソン氏は「米雇用統計を受け、雇用に対する市場の不安が和らいだ」とし、ニューヨーク時間のドル高につながったとの見方を示した。

ドル指数<=USD>は雇用統計発表後に上昇し、3日ぶりの高値圏に浮上。終盤は0.6%高の93.410。

ただ、一部のアナリストはここ最近のドル安に歯止めはかからないかもしれないと指摘する。

ドル指数は前日に2年ぶりの安値を形成。この日反発したが、前週末比では0.05%下落した。週間での下げは7週連続で、過去10年間で最長となった。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「7月の調査だけでは、ドル安を食い止めるには不十分」と述べた。

また、市場が注目している米政権と民主党指導部による追加の新型コロナウイルス経済対策を巡る協議は7日、物別れに終わった。民主党側は、これまで求めてきた3兆ドル規模の経済対策を1兆ドル減額して歩み寄りを示したが、政権側がこれを拒否した。

ユーロ<EUR=EBS>は直近高値から値下がりし、終盤は0.8%安の1.1785ドル。英ポンド<GBP=D3>は0.7%安の1.3057ドル。

リスクに敏感な豪ドル<AUD=D3>も下落。米中関係の悪化やオーストラリア準備銀行(中央銀行)による国内総生産(GDP)の下方修正を受け、1.1%安の0.7157米ドルとなった。

米モルガン・スタンレーは7日、ドルが過去40年超で最も売られすぎの水準にあるとし、ドルに対する弱気スタンスを「戦術的なニュートラル」にシフトしたと明らかにした。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 国債利回りがやや上昇した。7月の米雇用統計で雇用者数の伸びが大きく鈍化したことで、政府の追加景気支援の必要性が切迫していることが裏付けられた。

労働省が朝方発表した7月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から176万3000人増となった。伸びは予想の160万人を上回ったものの、過去最大となった前月の479万1000人からは大きく鈍化。新型コロナウイルス感染が再び拡大する中、景気後退(リセッション)からの回復が失速していることが改めて示された。

こうした中でも、米政権と民主党指導部が続けている新型ウイルス追加経済対策法案を巡る協議は進展していない。

終盤の取引で、10年債<US10YT=RR>利回りは2.3ベーシスポイント(bp)上昇の0.559%。

ジャネイ・モンゴメリ・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・レバス氏は、市場は追加対策法案の議会可決に注目しているとし、「7月の雇用統計が追加対策法案の交渉にどのような影響を及ぼすか、今後頻繁に取り沙汰されるようになるだろう」と述べた。

2年債<US2YT=RR>利回りは1bp上昇の0.127%。2年債と10年債の利回り格差<US2US10=TWEB>は1.3bp拡大の43.2bp。長期債利回りの方が大きく上昇したため、利回り曲線はスティープ化した。雇用統計発表直後は平坦化していた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> ダウ平均株価<.DJI>が46ドル高と小幅な値上がりにとどまったほか、ナスダック総合指数<.IXIC>は100ポイント近く下げて取引を終えた。雇用統計で雇用の伸びが大幅に鈍化したことや、新型コロナウイルス追加経済対策を巡る与野党協議が決裂したことなどが相場の重しとなった。

7月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から176万3000人増加した。伸びは予想の160万人を上回ったものの、過去最大となった前月の479万1000人からは大きく鈍化。新型コロナ感染が再び拡大する中、景気後退(リセッション)からの回復が失速していることが改めて示された。

こうした中、米政権と民主党指導部による追加のコロナ対策を巡る協議が7日、物別れに終わった。民主党側は、これまで求めてきた3兆ドル規模の経済対策を1兆ドル減額して歩み寄りを示したが、政権側がこれを拒否した。

ハーベスト・ボラティリティー・マネジメント(ニューヨーク)のトレーディング部長、マイク・ジグモント氏は「失業率が歴史的な平均水準と比べて天井を突き抜けており、新型コロナの世界的大流行(パンデミック)が収まらず、治療法もまだ見つからない中で、政治家は国民に1兆ドル超の追加経済対策を約束した。もし彼らが約束を果たさないのなら、政治的自殺に等しい」と述べた。

ナスダック指数は8日ぶり、ダウ平均とS&P総合500種指数<.SPX>は6日ぶりに下落した。週間では軒並み上昇した。

第2・四半期の企業決算は、これまでに決算を発表したS&P500企業のうち8割強が、見通しの大幅な引き下げに伴い予想を超える結果となっており、見通しの上振れ率は22.5%と過去最高を記録した。

携帯電話大手TモバイルUS<TMUS.O>は6.4%高。第2・四半期の月額払い(ポストペイド)の契約者数が予想以上に増加した。新型コロナの感染拡大を抑制するロックダウン(都市封鎖)措置に伴い、在宅勤務などが広がったことが寄与。月額払いの契約者数とプリペイド電話の契約者数の合計は9830万人で、AT&T<T.N>の契約者数約9300万人を上回った。

配車大手ウーバー・テクノロジーズ<UBER.N>は5.2%安。第2・四半期決算は、新型コロナ感染拡大の影響で料理宅配サービス事業の需要が倍以上に増加した。一方、配車サービスはコロナ禍に記録した最低水準からわずかな回復にとどまった。

ニューヨーク証券取引所では、値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.43対1の比率で上回った。ナスダックは1.31対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約97億8000万株。直近20営業日の平均は104億株。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> 週末7日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、対ユーロでのドル高を背景に売られ、6営業ぶりに反落した。中心限月12月物の清算値(終値に相当)は前日比41.40ドル(2.00%)安の1オンス=2028.00ドル。

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> 需要後退懸念を背景に売られ、続落した。米国産標準油種WTIの中心限月9月物の清算値(終値に相当)は前日比0.73ドル(1.74%)安の1バレル=41.22 ドル。ただ、週間では2.36%高となった。10月物は0.71ドル安の41.49ドルとなった。

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 105.91/105.94 <JPY21H=>

始値 105.65 <JPY=>

高値 106.05

安値 105.56

ユーロ/ドル NY終値 1.1786/1.1790 <EUR21H=>

始値 1.1821 <EUR=>

高値 1.1845

安値 1.1756

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 100*12.50 1.2343% <US30YT=RR>

前営業日終値 101*07.00 1.2010%

10年債(指標銘柄) 17時05分 100*18.00 0.5657% <US10YT=RR>

前営業日終値 100*27.00 0.5360%

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*03.25 0.2294% <US5YT=RR>

前営業日終値 100*05.75 0.2140%

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*31.75 0.1290% <US2YT=RR>

前営業日終値 100*00.50 0.1170%

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 27433.48 +46.50 +0.17 <.DJI>

前営業日終値 27386.98

ナスダック総合 11010.98 -97.09 -0.87 <.IXIC>

前営業日終値 11108.07

S&P総合500種 3351.28 +2.12 +0.06 <.SPX>

前営業日終値 3349.16

COMEX金 12月限 2028.0 ‐41.4 <GCv1><0#GC:>

前営業日終値 2069.4

COMEX銀 9月限 2754.0 ‐86.0 <SIv1><0#SI:>

前営業日終値 2840.0

北海ブレント 10月限 44.40 ‐0.69 <LCOc1><0#LCO:>

前営業日終値 45.09

米WTI先物 9月限 41.22 ‐0.73 <CLc1><0#CL:>

前営業日終値 41.95

CRB商品指数 146.8549 ‐1.7488 <.TRCCRB>

前営業日終値 148.6037