2020/8/12

【解説】未来経営の「陰の主役」、CFOに必要な3つの能力

NewsPicks ジャーナリスト
企業変革の旗振り役としてCFO (最高財務責任者)への注目が集まっている。
競争環境の変化が目まぐるしい時代は、企業は自社を構成している「事業ポートフォリオ」を常に見直していかなければならない。
同時に、どの事業を伸ばし、どの事業から手を引くかは、単に売上高と営業利益を見るだけでなく、よりファイナンス的な視点が求められている。
結果、経営の意思決定にCFOが深く関わるようになった。
逆に言うと、従来の経理部長や財務部長の延長線では、今のCFOは務まらないというのだ。
これが、大企業、スタートアップを問わず、最も不足しているエグゼクティブ職種がCFOであるゆえんでもある。
同時に未来のCFOに必要な素養は、経営のプロを目指すビジネスパーソンが身に付けるべき素養ともいえる。
「CXO」と呼ばれる経営の専門職種の中でも、経営戦略の要として関心の集まるCFOに求められる能力とは、一体どのようなものなのか。
また、CFOになるためのキャリア形成はどのようなものなのだろうか。
大企業の在任CFOや、投資銀行出身のCFO経験者などに直撃し、「未来のCFO像」に迫る。

PL主義からのパラダイムシフト

日本企業は、これまで「売上高」や「営業利益」など、企業決算でおなじみの損益計算書(PL)を重視してきた。
これに対して、現在の企業経営では、バランスシート(BS)や、フリーキャッシュフロー(FCF、現金の流出入)といった指標を考慮したファイナンスベースの考えへとシフトしてきた。
では、なぜ日本企業はそもそもPL重視だったのか。