[東京 7日 ロイター] - 総務省が7日発表した6月の家計調査によると、全世帯(単身世帯除く2人以上の世帯)の消費支出は27万3699円となり、物価変動を除いた実質で前年比1.2%減となった。ロイターの民間予測調査は7.5%減で、予測を上回った。減少は9カ月連続だが、前月の16.2%減から減少率は大幅に縮小した。

季節調整済み全世帯消費支出は前月比13.0%増で、比較可能な2000年2月以降で過去最大の伸び率となった。

2020年4―6月期の消費支出(2人以上の世帯)は、前年同期比実質9.8%減だった。

<定額給付金効果でエアコン、ソファー、PCなど増加>

6月は、一律10万円の定額給付金給付の影響で、家具・家事用品が前年同月比27.4%増だった。エアコンやテーブル、ソファーの消費が伸びた。教養娯楽用耐久財のテレビ、パソコンも消費が増加。総務省の担当者は、キャッシュレス決済によるポイント還元が最終月だったことも影響しているとみている。

諸雑費などを含む「その他の消費支出」は同1.0%増。新型コロナウイルスの影響で、寄付金などの伸びが増加しているという。

保健医療は同1.9%増で、マスクなどを含む保健医療用品・器具の消費が引き続き増加傾向にある。手指の消毒剤などの消費も堅調だという。

一方、パック旅行費や外国パック旅行費を含む教養娯楽サービスは同21.2%減。6月18日までは県境をまたぐ移動制限が行われていたことが影響した。総務省の担当者は、日別にみると6月後半にかけて徐々に消費額が増えているが、6月全体では依然としてマイナス幅が大きいと指摘。外食を含む食料も同1.8%減だった。

被服及び履物は同4.1%減。テレワークが浸透したことでワイシャツなどのクリーニング代が減少しているという。

総務省の担当者は、6月の消費動向について「緊急事態宣言が5月に解除されたことに加え、定額給付金などが消費を後押しして、5月に比べて減少幅が大幅に縮小した」と説明。一方、足元では感染者が増加していることも踏まえ、「引き続き今後の動向に注視が必要だ」と指摘した。

*内容を追加しました。

(浜田寛子 編集:内田慎一 グラフ作成:田中志保)