2020/8/7

【3分解説】「巣ごもり特需」でも赤字。メルカリ決算のポイント

Oh Tesun
NewsPicks 金融ジャーナリスト
8月6日に発表したフリマアプリ最大手のメルカリの2020年6月期決算は、主力の国内フリマ事業が順調に成長し、売上高が前年同期比47.6%増の763億円に拡大した。
特に第4四半期(4〜6月)は、新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり消費」の需要拡大を受けて、国内のフリマ事業が拡大。2018年6月の上場以来、初めて四半期ベースでの営業黒字を達成した。
メルカリ決算会見(写真:会社提供)
一方、米国フリマ事業や決済サービス「メルペイ」など、投資が先行する事業を抱えていることもあり、営業損失は193億円で、赤字幅は前年度の121億円から拡大。最終損益も227億円の赤字で、2018年の上場以来、3期連続の赤字となった。
急成長を続けるメルカリの現状と課題を4つの数字でアップデートする。
INDEX
☑コロナ禍で国内フリマ40%増
☑米事業が目標の1億ドルを突破
☑株価上昇率で競合に大差

コロナ禍で国内フリマ40%増

メルカリの事業の柱は大きく3つある。国内フリマ事業、米国フリマ事業、「メルペイ」の決済サービス事業だ。
国内フリマで稼ぎ、アメリカでの事業と決済事業に投資する。これがメルカリの基本的な構造で、その重要な稼ぎ頭の国内フリマが成長を続けている。
2020年6月期のメルカリの月間アクティブユーザー数は、前年度比29%増の1745万人。流通取引総額(GMV)は同28%増の6259億円となった。ユーザーも、GMVも、1年でおよそ3割増えたことになる。
国内フリマの成長の背景にはまず、国内の電子商取引(Eコマース)市場の拡大がある。
経済産業省によると、2019年のEコマース市場規模は、前年から7.65%増の19.4兆円となった。フリマ事業は、Zホールディングスや楽天なども参入しており、今後は競争が厳しくなるとみられているが、今はまだ、パイ自体が拡大する途上にある。