[東京 4日 ロイター] - SMBC日興証券の集計によると、8月3日までに2020年4─6月期決算を発表した東証1部企業(金融除く)の経常利益は前年同期比65.0%減となった。製造業が同64.7%減、非製造業が65.3%減と、ともに大きく減少している。

4─6月期は新型コロナウイルスの影響で国内で緊急事態宣言の発令、世界各国でロックダウン等の措置が取られるなど、世界中で経済活動が停滞したこともあり、内需、外需を問わず幅広い業種で影響が出ている。

SMBC日興証券・株式ストラテジストの安田光氏は「総じて悪い決算」としつつ、5G(第5世代移動通信システム)、AI(人工知能)などの先端技術に関する分野や、在宅時間増加に伴う巣ごもり需要を取り込めた企業などでは堅調な結果が見られると指摘した。新型コロナの感染拡大を受けて大半の企業がコスト削減を実施しており、「コスト管理体制、構造改革の進み具合が今後の業績に大きな差を生むのではないか」と予想する。

2021年3月期の通期業績予想については、現時点で決算発表済み企業の約7割が開示した。20年3月期の決算公表時に開示したのは44%にとどまり、例年に比べて非開示が多かった。安田氏は「本決算で予想を出していなかった企業がどれだけ開示するか、先行きが不透明な環境下でどの程度の業績を確保できるかという点が新しい道しるべとなる」とみている。

8月3日時点で全体(金融除く)の40.4%となる536社が発表を終了した。