[ワシントン 3日 ロイター] - トランプ米大統領は3日、新型コロナウイルスの感染拡大で需要が急増している遠隔医療サービスについて、提供体制が不十分な地方などで利用できるよう対象を拡大する大統領令に署名した。

地方を支持基盤とするトランプ氏は、大統領令によって拡大された遠隔医療サービスは新型コロナ危機終息後も継続されると述べた。

また、規制を簡素化し、地方の医療機関にメディケア(高齢者・障害者向け公的医療保険制度)の既存ルールの一部免除を可能にする新たな支払いモデルを構築するよう、厚生省に指示したことも明らかにした。

トランプ氏はホワイトハウスで、記者団に対し「新型コロナの感染拡大前も遠隔医療は利用されていたが、需要が非常に強いというわけではなかった。この恐ろしい状況から得た良いことの一つは遠隔医療の利用が拡大したことだろう」と語った。

大統領令によると、メディケア・メディケイド・サービス・センター(CMS)のデータでは、電話やビデオを通じた遠隔医療の利用件数は4月最終週に週170万件と、新型コロナの感染拡大前の1万4000件から急増した。

対面診療が再開された5月以降も高水準を維持し、遠隔医療サービスの利用が広まっている兆候が示されている。

トランプ氏はまた、地方の医療サービス改善に必要な通信インフラ投資の拡大に向けた具体的な計画などを30日以内に策定するよう政権当局者に指示した。