[3日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)の当局者らは3日、新型コロナウイルスの感染再拡大で打撃を受ける米経済の支援には政府による追加の財政刺激策が必要との認識を示した。

議会とホワイトハウスの当局者はこの日、31日に失効した失業給付加算の延長などが争点の追加経済対策を巡り、協議を再開した。

シカゴ地区連銀のエバンズ総裁は、記者団に対し「失業給付加算措置などの失効で総需要を巡る問題が台頭しつつある」とし、「ボールは議会側のコートにある。前進するには財政政策が必要不可欠だ」と述べた。

リッチモンド地区連銀のバーキン総裁も、新型コロナ感染拡大の影響で職を失った多くの国民に対し議会が長期的な支援を早期に打ち出せなければ、米経済は想定を超えて落ち込む恐れがあると警告した。

バーキン総裁は、ノーザン・バージニア商工会議所が開催したオンラインイベントで「4カ月前に新型コロナウイルス対策第1弾が導入されたとき、経済に開いた大きな穴が塞がれ、これにより米経済は順調に推移すると考えられた。ただ現在は感染が再拡大し、経済に開いた穴は大きくなっており、塞ぐためにはより大きな措置が必要になっている」と述べた。

ダラス地区連銀のカプラン総裁は、7月末に失効した週600ドルの失業給付加算措置について、多くの企業が雇用を一段と難しくしたとの見方を示しているものの、労働市場は全般的には影響を受けていないことが経済指標から示されていると指摘した。

ブルームバーグテレビに対し、「数多くの研究結果を検証し、われわれも独自の検証を行ったが、企業が示しているような懸念は各種データで裏付けられなかった」と述べ、「(特別給付措置で)一部の企業は雇用が難しくなった可能性があるが、(同措置で)消費支出が押し上げられたため、雇用が創出された。このため、差し引きでプラスの効果があった」と語った。

カプラン総裁はまた、週末にミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁が提案した感染拡大抑制に向けた4─6週間のロックダウン(都市封鎖)再導入に反対。誰もがマスクを着用すれば、広範なロックダウンは避けられるとし、「新型ウイルスとともに生きていくことを学ばなければならない。日常生活のあり方を変えなくてはならないが、それでもウイルスは制御できる。そのためには広範なマスク着用が必要不可欠だ」と述べた。

セントルイス地区連銀のブラード総裁も、マスク着用が広く浸透すれば、新規感染、および感染による死亡を全国的に制御可能な水準に低下させられるとの見解を示した。

同総裁は、米経済については5月と6月に予想以上の回復を見せたものの、新型コロナ感染再拡大で7月に入り回復ペースは鈍化しており、この先の道のりは一様ではないとの見方を示した。

議会で協議が膠着している新型ウイルス追加対策については、「合意に向けた双方の意思は強い」とし、いずれは合意が得られるとの見方を示した。