[ニューヨーク 3日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが小幅高。7月は月間ベースで10年ぶり下落率になったが、投資家が一部のショートポジションを解消したという。

主要通貨に対するドル指数<=USD>は前月に4%超下落し、2010年9月以来の下落率となった。ドル安は、米金融政策がさらに緩和されるとの観測のほか、議会が景気刺激策で合意できていないことなどが要因。米債利回りの低下も一因とされている。

バノックバーン・グローバル・フォレックスのチーフ市場ストラテジスト、マーク・チャンドラー氏は、市場のセンチメントが極端に振れたことで、投資家がショートポジションを巻き戻したと指摘。ただ、ドルの下降トレンドはまた始まるとも述べた。

米商務省が発表した6月の建設支出(季節調整済み)は、年率換算で前月比0.7%減の1兆3550億ドルと、3カ月連続で減少し、19年6月以来の低水準となった。一方、米供給管理協会(ISM)が公表した7月の製造業景気指数は54.2となり、昨年3月以来の水準に上昇したが、雇用指数はさえなかった。

この日のドルは米経済指標を受けて上昇幅を縮小し、終盤の取引では小幅上昇。ドル指数は93.997まで上昇したが、終盤は0.13%高の93.532となった。チャンドラー氏は、市場が7日の米雇用統計に注目していると述べた。

米商品先物取引委員会(CFTC)が発表したIMM通貨先物の非商業(投機)部門の取組(7月28日までの週)を基にロイターが算出したドルの主要6通貨(円、ユーロ、ポンド、スイスフラン、カナダドル、豪ドル)に対する売り越し額は242億7000万ドルと、前週の188億1000万ドルから増加し、11年8月以来9年ぶりの高水準となった。増加は4週連続。

ユーロ<EUR=EBS>はこの日、0.12%安の1.1760ドル。

ドルは対円<JPY=>で0.1%上昇し、106円台を付けた。先週末の7月31日には3月以来の上昇率となった。麻生太郎財務相は同日、為替市場の動向に関し「緊張感を持って注視する」と述べていた。

ドル/円 NY終値 105.94/105.97

始値 106.10

高値 106.46

安値 105.92

ユーロ/ドル NY終値 1.1761/1.1765

始値 1.1724

高値 1.1767

安値 1.1698