李登輝・元台湾総統死去 97歳 民主化に尽力、親日家

コメント

注目のコメント

• 前田 康三

  李登輝さんって不思議な経歴を持っている。上からの民主化を実現した民主主義的な部分を持つ一方で、それ以前は国民党の蒋経国に見出された経歴を持っている。蒋経国は特務機関の親玉で、台湾の人々の自由を抑圧したという裏の顔を持っている。李登輝さんは蒋経国を「政治の先生」として尊敬し続けた。相反する経歴に見えるけど、李登輝さんの本心がよく分からない。
  李登輝さんの「台湾独立」も「中国から独立」ではなく「他国の干渉を受けない台湾の自主性の維持」的な側面が強かった。李登輝さんはマキャベリスト的な側面、かつ中国との距離感に苦慮するリアリスト的な側面もあった。
  李登輝さんも鬼籍に入ったことで、台湾の民主化も少しずつ「歴史」に変わりつつあると思う。李登輝さんの本格的な研究や評伝の出版も行われると思うけど、そうした研究や評伝でマキャベリスト、かつリアリストの李登輝さんの姿の描き方が気になる。李登輝さんは単なる「親日派」ではなかった。