2020/8/2

【海堂尊】作家が明かす「本当に効果的な情報の探し方」

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このたび「世界初の新型コロナウイルス小説」として、新刊『コロナ黙示録』(宝島社)を上梓した海堂尊氏。
インタビュー最終話では、作家・医師としての立場から、今の時代に必要な「情報取得のスキル」について考察する。

情報の取捨に「正解」はない

──今回のコロナの問題があって、一般の人々も、医学や科学のリテラシーを多少は持たなくてはならないといったプレッシャーを感じるようになっています。その中で、どのように情報に接し、取捨すればいいのかというアドバイスはありますか?
海堂 これが、難しいんですよね。
ネットでは様々な情報が錯綜するじゃないですか。大抵の人は、「誰」が言っているのかという、要するに「アメリカの○○大学の衛生学の教授の言うことだから信用できるだろう」みたいな部分でふるいにかけようとする。
でも、偉い人の言っていることが本当かどうかはわからないのです。
私は医者なので、一般の人よりは一段進んだところで嘘か本当か見抜けるのですが、それでも見抜けないものはたくさんある。ましてや素人に対しては、情報の出し方によって、いくらでも白を黒だと言いくるめることができる。