【新】私が「世界初の新型コロナウイルス小説」を書いた理由
コメント
注目のコメント
この春、新型コロナウイルスの感染が国内外で拡大する中で、新たな注目を浴びたのが、作家の海堂尊氏が2011年に刊行した長編『ナニワ・モンスター』です。日本に新型ウイルスが入ってきたとき、どのような騒動が起きるかをシミュレーションした作品ですが、その内容が「現在のコロナ禍に酷似している」と話題になりました。
その海堂氏が、新刊『コロナ黙示録』で描き出すのは、もはや「架空のウイルス騒動」ではなく、今私たちが直面している「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)」そのもの。海堂作品でおなじみの架空都市「桜宮市」と、リアルな日本の現状を完全に「同期」させるという試みによって、海堂氏が訴えたかったことは何なのか。
リアルがフィクションを凌駕する時代の「小説」の存在意義、過去の改ざんがまかり通る時代にあっての情報との接し方など、今を生きるヒントが詰まったインタビューです。新聞評で興味をもって『ナニワ・モンスター』を読み進めると、あまりに今回のコロナ騒動と酷似していて驚きました。
・PCR検査がなかなか受けられない
・毒性の強さに対して世間のパニック具合が異常
・感染者の所属組織が、感染者を出したことを謝罪
などなど…
作品のモチーフとなった2009年の新型インフルエンザ、忘れておられる方も多いかもしれません。国内初上陸が地元神戸だったのでよく覚えているのですが、過去をもとに書いた小説が未来の予言書となるなんて・・・。
海堂さんは予言者みたい!と興奮したこちらに対し、ご本人は「同じことをやらかしているだけ」と冷静。
酷似性に驚いて終わりでなく、私たちは学ばなければいけないんですよね。
『コロナ黙示録』、ぜひ『ナニワモンスター』と合わせて読み比べたいです。「デカメロン」「ペスト」「復活の日」「首都感染」...。
小説が注目された今春でした。
これからコロナやニューノーマルが反映された小説が刊行され始めますので、時代がどのように「冷凍保存」されるのか、目が離せません。