[東京 30日 ロイター] - シンガポールの投資ファンド、エフィッシモ・キャピタル・マネジメントは30日、保有する東芝<6502.T>株の一部を売却、保有比率は15.36%から9.91%へと低下したと発表した。東芝の取締役候補として株主提案している同ファンドの創業者であり役員の今井陽一郎氏が取締役として東芝にコミットする一方で、国の安全保障等に影響を与える懸念をできる限り軽減するためとしている。

エフィッシモは、東芝に対し、今井氏を含む3人の取締役選任の提案を行っている。外国為替及び外国貿易法(外為法)に基づき事前届け出を行い、審査を受けていた。その過程で、相当程度の議決権を保有したまま、同ファンドの役員を東芝の取締役とすることは、国の安全保障等に影響を与えるおそれがあるのではないかとの懸念を生じさせることを意識したとし、保有株の一部売却を決めたと説明している。

なお、外為法上、エッフィシモが株主総会において今井氏の取締役就任議案に同意することの承認は得られる見込みになったという。今井氏が取締役に就任した後で株式を売却すればインサイダー取引規制に抵触するおそれが生じるため、株主総会前に売却することになった、としている。

東芝の株主総会は31日に開かれる。

*内容を追加しました。

(清水律子)