音楽プロデューサー小林武史は、なぜ「農業」に賭けるのか
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2018年夏の「農業は死なない」、昨秋の「ネクストファーマーズ」に続いて、3度目の農業特集。今日から3日連続で記事がアップされます。
トップバッターは、音楽家の小林武史さんです。ご存知の通り、サザンやミスチルのプロデューサーとして知られる音楽界の大御所が、なぜ農業特集に?と驚かれるかもしれませんが、小林さんは「持続可能な社会」を実現するために、農業にも真剣に取り組んでいます。
その舞台は、昨秋、千葉の木更津にオープンしたクルックフィールズ。小林さんは10年前、残土置き場だった広大な土地を買い取り、土作りから始めて、現在は有機農法で育てた作物やハーブなどが豊富に実り(ニンジンは年間100トン出荷)、牛やヤギも飼育されています。
今回のインタビューで印象的だったのは、小林さんの知識の豊富さでした。話のなかに科学者や哲学者の名前がスラスラと出てくるのを聞いて、ファッションや軽い気持ちではなく、普段から持続可能な社会とはどんなものか、実現するにはどうしたらいいのかを真摯に学び、吸収しているのだなと感じました。
小林さんがなぜ持続可能な社会に関心を持ったのか、それがどうクルックフィールズにつながっているのか、その原点についても話を聞いています。ぜひご一読ください。昨年、水牛牧場の立ち上げの取材でクルックスフィールズ伺いました。
山間の開けた広大な場所です。
以前私が務めていた有機農業の生産法人にもしばしば小林武史さんいらっしゃっていましたし、
水牛牧場を立ち上げた竹島さんは日本で初めて水牛モッツァレラチーズを飼育から製造まで宮崎で実現したものの口蹄疫で全てを失ったという波乱万丈の方で、地元国立市出身の友人でもありますので、なんとなく縁も感じています。
本来2020はクルックスフィールズの新たなフェーズを打ち出す予定だったと思いますが
昨年の台風では停電となり、観光的な打ち出しがされるかと思ったタイミングのコロナで大々的PRのタイミングが難しく現状は大変厳しいのではないかと思います。
しかし、付け焼き刃ではないストーリーをつくってきているので、野外フェス的なものが可能となれば一気に動き出すのではないでしょうか。
循環や持続性といった考え方や生き方はファッションや流行的に深まらないまま終わってしまうことも多々あります。
またアンチ農薬とか、アンチ市場経済の人々もこの取り組みには参加しがちだと思いますが、こだわりが強い人たちはチームワークが苦手だったりします。
しかし考えてみれば音楽業界もまた商業とアーティスト性の狭間にあってそういう世界かもしれないので意外に相性がいいのかもしれない。
そのあたりをどう組み合わせて地に足のついたテーマパークとなっていけるのか注目しています。日本の農業は味を含めた質は世界的にもトップクラス、かつ近年無農薬などのオーガニックな取組みや、顔が見えるとかトレーサビリティを高めて安心を提供する取組みもかなり進んでいると思う。供給側は工夫を重ねる一方で消費者の嗜好はそこまで変わっていない気がする。特に今の嗜好が問題だとも思わないが、このようなバックグラウンドを持つ方が農業分野で活躍され、新たな食を通した豊かさの観点を消費者に広めることは有意義だと思う。