[東京 29日 ロイター] - 前場の東京株式市場で、日経平均は前営業日比178円33銭安の2万2479円05銭となり、続落した。オーバーナイトの米国株式市場で主要3指数が揃って反落したことや、外為市場で円高が進行したことなどが嫌気され、朝方から売りが先行。一時下げ幅を200円超に拡大した。個別では、決算発表銘柄で選別が見られ、業績予想が弱かったファナック<6954.T>やキヤノン<7751.T>が売られた。

ファナックは2021年3月期の連結営業利益が前年比56.4%減に、キヤノンは20年12月期の連結営業利益が同74.2%減になりそうだと28日にそれぞれ発表。2銘柄で日経平均を約68円押し下げる要因となった。

東京エレクトロン<8035.T>は20年4─6月期の営業利益が前年同期比73.6%増と堅調。足元の好業績が評価されて高く始まったが、その後じり安となり、前引け前にマイナス圏に沈んだ。

ここまでの国内企業の決算の内容については「良いものと悪いものがはっきり分かれている。今週、来週は決算を手掛かりに『木を見て森を見ず』の売買が続くだろう」(証券ジャパンの調査情報部長、大谷正之氏)との声が出ていた。

東証1部の売買代金は1兆0299億円。東証33業種では、海運、電気・ガス、不動産など5業種が値上がりした半面、28業種が値下がり。鉄鋼、化学工業、非鉄金属など景気敏感セクター、輸送用機器や電気機器など輸出関連セクターが軟調だった。

TOPIXは0.86%安で午前の取引を終了。後場、日銀のETF(上場投資信託)買いが入れば日経平均、TOPIXともに下げ幅を縮小する可能性がある。

東証1部の騰落数は、値上がりが436銘柄に対し、値下がりが1652銘柄、変わらずが75銘柄だった。

決算発表銘柄以外では、ジャスダック上場の日本マクドナルドホールディングス<2702.T>が急落。米マクドナルド<MCD.N>が、保有する日本マクドナルドの一部株式を売却する方針を示したことで需給悪化への懸念が出ている。

日経平均は安値圏でもみあい。前営業日比130円ほど安い2万2500円台前半での推移となっている。決算発表が本格化するなかで、前日に低調な決算を発表した銘柄を中心に売りが先行しており、ファナック<6954.T>、日産自動車<7201.T>、キヤノン<7751.T>は軒並み下落となっている。

一方、東京エレクトロン<8035.T>、アドバンテスト<6857.T>などの半導体関連は堅調。前日の米国株式市場でフィラデルフィア半導体指数は2%超の下落となったものの、米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)<AMD.O>が時間外取引で9%上昇したことが好感されている。同社は通年の売上高見通しを引き上げ、2020年の売上高は約32%増加すると予想した。

市場では「全体の動きとしては円高が嫌気され軟調となっているが、指数寄与度の高い半導体関連の堅調な動きが相場の下支えとなっている」(国内証券)との声が出ていた。

寄り付きの東京株式市場で、日経平均は前営業日比113円49銭安の2万2543円89銭となり、続落した。オーバーナイトの米国株式市場の反落に加え、外為市場でドル安/円高が進んでいることが嫌気された。個別では、前日に低調な決算を発表したキヤノン<7751.T>は売り気配、日産自動車<7201.T>は売りが先行している。

市場関係者によると、寄り前の板状況は、日産自動車<7201.T>、キヤノン<7751.T>、ホンダ<7267.T>、ソニー<6758.T>、トヨタ自動車<7203.T>が売り優勢、パナソニック<6752.T>が売り買い拮抗、東京エレクトロン<8035.T>が買い優勢。

指数寄与度の大きいファーストリテイリング<9983.T>が売り買い拮抗、ファナック<6954.T>が売り優勢。

メガバンクでは、三菱UFJフィナンシャル・グループ<8306.T>、三井住友フィナンシャルグループ<8316.T>が売り買い拮抗、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>が売り優勢となっている。

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