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言わずと知れた有名な研究者。特に、彼のラボの関係者が出したスタートアップと言う切り口でもまとまりが良く、日本語記事の単独フォーカスのインタビューは珍しい。どんなにぶっ飛んだアイデアも、彼が言い出したら何らか本気でやろうとするんだろうと思わせるパワーをもっている、そんな印象をもっています。

本気でやろうとしたときに、倫理的、経済的、社会的に何が本当に大事なのかを考えていく姿勢は学ぶことが沢山あります。記事でも伝わってきます。

教授がスター研究者であることに疑いはないですが、最近は、インパクトの大きい、話題性のあるプロジェクトが多いため、ラボとしてのオリジナルの仕事が外から見えにくい状況であるとも感じます。

BASE editing に注目している節も触れてあり、特集の布石を感じます。CRISPR/Cas9ばかりが注目されていますが、Cas9関連タンパク質を応用した、1塩基だけをピンポイントで編集(point mutation)する BASE editing という技術です。

こちらは私の認識ではBroad instituteの David Liu ラボのポスドクの2016年のNature仕事※がオリジナルだと思います。ですので、David Liu が関係する Beam therapeuticsという会社があるので、研究者か、ラボとなにかコラボがあるのかもしれませんね。それか、新しい塩基置換を目指しているのか。きっと後者と思いますが。

※Komor, A. C., Kim, Y. B., Packer, M. S., Zuris, J. A. & Liu, D. R. Programmable editing of a target base in genomic DNA without double-stranded DNA cleavage. Nature 533, 420–424 (2016).
ハーバード大学のジョージ・チャーチ教授に、特別にインタビューをすることができました。30年以上も遺伝学の世界の最先端をはしり、100人近くが研究するラボからは、毎年10社以上のスタートアップが生まれています。

彼のラボは、ユニークなプロジェクトをぶち上げることで、ゲノム編集などにまつわる大きな議論を呼んできました。絶滅したマンモスを、合成したDNAを象の生殖細胞に移植することで、復活するプロジェクトに度肝を抜かれた方もいるかと思います。

そのラディカルさゆえに、つねにテクノロジーと倫理の交差点にいるチャーチ教授に、彼の考える未来像について語ってもらいました。ぜひご一読ください。

※マンモス復活はノンフィクション本にもなっています
https://wired.jp/series/wired-book-review/16_woolly/
ジョージ・チャーチが日本語メディアに出るのは珍しいですね。NewsPicksらしくスタートアップや投資に焦点を当てていて読み応えがありました。

マンモスで温暖化抑制は言い過ぎ、と思います。そもそも、あらゆる生物は単独で生きることはできず、食う・食われるの関係の中に存在します。マンモスだけでなく、マンモスに関わる生態系も復活させる必要があるし、それが何をもたらすかはほとんど想像できません。赤ちゃんのところで言っているように。

「短期的には安全であることが、長期的には思わぬ結果をもたらすこともあります。例えば米国のイエローストーン国立公園では、かつて野生の狼を駆除したことで、生態系が大きく乱れました。これが問題となり、(再び狼を戻すまでに)70年間もの歳月がかかりました」

とはいえ、これくらいぶっ飛んだ人がいることで議論が加速するのは間違いないので(マッチングサービスなどやりすぎなところもありますが)、これからも注目してほしいと思います。まずは名前だけでも覚えてもらえれば。
合成生物、やはりこの分野の行き着くところに倫理の問題は決して外せない議論だと思います。

でも、本当に人が欲しい特性を持つようにしたらいけないのか、そしてそれはなぜいけないのか、と言われると理論的にちゃんと説明をどこまでできるでしょうか。そういう意味でも、ジョージ・チャーチ教授は、私たちの壮大なブレインストーミングの材料を与えてくれているように感じます。

最先端すぎる、研究者の頭の中を是非のぞいて見てください。
チャーチ教授のラボからは、この2年で20以上ものスタートアップが生まれています。
マンモスを復活させる研究など、彼のプロジェクトは議論を呼ぶものもしばしば。実際にお話してみると、「どのような手法をとるかより、それによってどのような結果がもたらされるかを冷静にみて、是非を考えるべきでは」と話す姿が印象的でした。
この記事はキレキレですね。とても考えさせられます。特に「教育や栄養向上と遺伝子編集は、根本的にどこが違うのか」という問いが重要だと思いました。さすがはジョージ・チャーチ。記事ではこう書かれています。

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私たちは学校という教育機関があり、両親はなるべく早くから、子どものが人生で良いスタートを切れるように手助けします。なるべく栄養価のあるものを与えます。
そして、我々の先祖よりも、おそらくより知性的な存在になっているでしょう。こうしたことも、もちろん社会的に受け入れられています。
しかし、どのような方法でも治療することができない病気を、生殖細胞の遺伝子編集によって治療することは、まだ社会に受け入れられていません。
こうした状況は、おそらく時間の経過によって、変容してゆくでしょう。
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この「バイオ・エンハスメント」については、堀内進之介さんが政治哲学の観点から学術論文を書かれています。
https://jss-sociology.org/research/92/file/339.pdf

私は堀内さんから直接解説いただきましたが、この問題意識を展開した記事を現代ビジネスにも寄せられています。

飲めばモラルが向上するクスリ「道徳ピル」をご存じか
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/56786

このなかで論じられているのは、人間のモラルを向上させるクスリ「道徳ピル」や、知性を改善するクスリ「スマート・ドラッグ」です。堀内さんは「テクノ進歩派(progressives-techno)」と「バイオ保守派(conservatives-bio)」という2つの立場を示したうえで、前者の問題提起を後者がキャッチアップできていないと危惧します。保守派は道徳ピルを「人間本性をゆがめる」などと批判するわけですが、それは「なんだか気持ち悪い」と変わりません。よりロジカルで本質的な議論が必要です。

今回の記事でチャーチが「価格であったり、誰にも平等に提供されるのかという点も、もちろん熟慮すべきポイントだと思います。短期的には安全であることが、長期的には思わぬ結果をもたらすこともあります」と話しているのは重要です。テクノ進歩派のほうが、リスクを正しく理解しているといえます。

回を追うごとにディープになっていますね。次回も楽しみです。
遺伝子を手術する時代が目の前に来ています。
将来的にはゲノム編集によってヒトの寿命を延ばしたり、加齢を止めたりできるようになる可能性があります。

一方、世界的な課題が、倫理観の醸成やルールが追いついていません。
受精卵へのゲノム編集はどこまで許されるのか。
世界保健機関(WHO)や米英の科学者組織などが条件づくりを始めており、厚労省も今後ゲノム編集に関する規制の在り方を検討予定です。

遺伝子データそのものをどう扱うかも課題です。
個人情報であると同時に、データを集めれば創薬などに役立つ大きな価値を生みます。「改正個人情報保護法」ではゲノムが個人情報の一種とみなされ、規制の対象となっています。
マンモスによって、北極圏のメタンガスを封じ込めるという発想には恐れ入りました。そんなことが本当にできるのか疑問ではありますが。局所を改善しても、地球全体、宇宙全体で見るとアンバランスな状態になるような気がします。難病対策は大いに前進してほしいとは思います。