2020/7/27

【実録】履歴書も面接もない。究極の「オープン採用」とは

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この記事は、NewsPicksのグループメディア米Quartzの特集「How to build an anti-racist company(アンチ・レイシストの企業の作り方)」の一記事です。

「初日に来ればいいだけ」

ニューヨークのグレイストン・ベーカリーは、人気アイスクリーム店ベン&ジェリーズにブラウニーを供給する焼き菓子店。そこで働くために必要なのは……。
自分の名前をリストに書き込むこと。それだけだ。
グレイストン・ベーカリーは、元航空技士で、のちに「禅」の団体を立ち上げたバーニー・グラスマンが設立した社会的企業だ。
1982年の創業以来、この店は「オープン採用」を貫いてきた。つまり採用にあたって、学歴や職歴はもとより、犯罪歴も問わない。
(写真:Photo by SHAUN MADER/Patrick McMullan via Getty Images)
「面接も質問もない。身元調査も薬物検査もなし。オリエンテーションの初日に来ればいいだけだ」と、ベーカリーの運営を統括するグレイストン財団のジョゼフ・ケナー理事長兼CEOは言う。同財団は地域支援団体で、無料の職業訓練を行っているほか、事業者向けにオープン採用のノウハウを提供している。
ここ数カ月のブラック・ライブズ・マター運動(BLM)の再燃を受け、多くの企業では、「より公正な職場とは何か」に対する意識が高まってきた。
その過程で明らかになってきた問題点の1つが、履歴書や面接だ。