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【いつまでD2Cにこだわるの?】LTVが低いD2Cブランドは成立しない。あなたがD2Cにこだわり続けるならね。

こんにちは。
FABRIC TOKYOの森です。
質問に答えていきます。

質問「初めまして。質問させてください。
D2CブランドはやはりLTVが低い商品は難しいのでしょうか。
よろしくお願いいたします。」

といった質問をいただいています。
ありがとうございます。

結論、LTVが低い商品はD2Cブランドでは難しい。

D2Cブランドはよく "LTVの高さ" というのがブランドの有効性の議論に登場します。それに対してのご質問だと思います。

結論をいいますと、LTVが低い商品は、D2Cブランドだと難しいと思います。

そもそもD2Cブランドも商売で、商売の基本としては、全てはアービトラージで成り立っているわけです。
安く仕入れて、お客様に安く知ってもらって、高い物を買ってもらう(もしくは高頻度で買ってもらう)といったことが商売の基本だと思います。

D2Cも例外でなくどれだけ安く仕入れられるか?、ライフタイムバリュー(LTV)をどれだけ上げられるかということが重要になってきます。

そもそも、D2Cブランドはかなり上手にマーケティングをやらないと顧客獲得コスト(CPA。ここではCost Per Acquisitionとして扱います。CACと同義です。)がそれなりに高くつきます。これは当然の話でして、インターネットを駆使してマーケティングをやる以上は顧客獲得コストというのはどうしてもかかってしまいます。ECサイトを立ち上げただけだと、砂漠の真ん中でお店を作るようなものですから、看板を出さないとお客様に見つけてもらえません。ただブランドを作ったりECサイトを立ち上げるだけではだめで、集客をやらないといけないのがD2Cブランドです。

インターネット上でダイレクトにお客様に販売していくD2Cブランドの面白さでもあり、難しさでもあります。

CPA(CAC)をかけた分、LTVで回収します。
LTVが低いとCPAを極めて小さく抑える必要がありますので、難易度はかなり上がります。

過去にLTVについて書いたnoteがありますので、併せてこちらもご覧ください。


難易度が上がるとビジネスの有効性や継続性が難しくなってくると思います。
急成長しているメンズコスメブランドBULK HOMMEの社長の野口さんが以下のような興味深いツイートを過去にしていますので、ご参照ください。

・LTV÷CAC > 3
・粗利LTV÷CAC > 2.5

これ満たせない商材をD2Cの事業として選んではいけないのでしょうか?いえ、実はそんなことはありません。
D2Cでやらなければいいだけです。

STOP D2C! but Don't STOP D2C!

D2Cにこだわるのが正しい戦略とは言えません。

どういうことかといいますと、デジタル時代に大きくブランドを成長させていく1つの手段がD2Cだと思っています。

全てのプロダクトがD2Cになる必要はありません。

例えば、石鹸は単価が低いため石鹸のD2Cブランドはなかなか成り立たないと思います。インターネット上で広告をしてコンバージョンしても、CPAの回収に何ヶ月、何年もかかります。相当な回数を買ってもらわないとCPAの回収は難しいですが、石鹸ブランドを始めるというのは有りです。

「STOP D2C! but Don't STOP D2C!」
・販売チャネルとしてのD2C → これを止める
・コミュニケーションチャネルとしてのD2C → これは続ける

D2Cだと数字が合わないというだけで、卸してBtoBで販売すればいいと思います。D2Cという単一販売チャネルへのこだわりを捨て、多角チャネルで事業を展開するのです。

石鹸のブランドを立ち上げる際、D2C型にこだわらない選択肢があるというわけです。
Amazonで売る、東急ハンズに卸す、薬局やスーパーに卸す、ホテルやレストランに卸す、BtoBで販売する、こういったことができるのではないかと思っています。

そうすれば普通にブランドとしては成り立ちます。

おそらく、質問者さんはLTVが低い商品でブランドを始めたいのだと思うのですが、D2Cにこだわらなければいくらでもやり方はあると思います。
しかしD2Cというやり方を選択するのであれば、LTVが低い商品というのは成り立ちづらいというのが明白だと思っています。

先ほどのように東急ハンズに卸したりAmazonで販売したりといった販路を様々なチャネルで拡大する中で1つの選択肢としてD2Cで販売しているというのが今の時代には必要なことだと思います。ただ、販売のチャネルはメインとして、卸売りやAmazonなんかでも問題ないと思います。

チャネルの多角化をする場合、注意点は2つあります。

チャネルの多角化をする場合の注意点
1. 上述した通り、コミュニケーションチャネルとしてのD2CはLTV最大化のため強化する(自社EC、自社SNS、Webコンテンツ等)
2. 卸売りに耐えられるぐらいの粗利を確保する(商品原価はできれば20%台に抑えたい)

本日は「D2CブランドはLTVが低いと難しいのか」といったご質問をいただいておりましたので、「CPAとLTVのバランスの話やD2Cに限らず多角化チャネルでブランドを始める、成長させる」といったお話をさせていただきました。

以上です。参考になれば幸いです!


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