2020/7/26

【新説】リモート副業は自己投資のニューノーマルになる

NewsPicks コミュニティチーム 編集者
「副業やインターンで働く人たちとのコラボレーションを日常化して、働き方の固定観念を変えたいんです」
IT大手のヤフーが7月15日に「ギグパートナー」と呼ばれる副業人材の募集を発表した翌16日、消費財メーカーのユニリーバ・ジャパンも「WAAP(Work from Anywhere & Anytime for Parallel careers)」というオンライン副業の人材募集制度を発表した。
制度設計を主導した同社の人事総務本部長・島田由香氏は、このタイミングで副業人材の活用を進めることにした理由を、上記のように語る。
新型コロナウイルスの蔓延は、リモートワークをはじめとして、多くのビジネスパーソンの働き方を変えている。そんな中、ユニリーバ・ジャパンは副業人材の受け入れでどんな「固定観念」を変えようとしているのか。
同社の構想を通じて、企業と個人の関係性を一変し得る、働き方のニューノーマルを探っていく。
INDEX
□  オンラインだから可能な取り組み
□「ワークインライフ」を助ける
□  時給契約はせず、競合社員も歓迎
□  受け入れ側にも問われる変化
□「本業」がなくなる世界
□  潜在的なキャリアの危機に気付く

オンラインだから可能な取り組み

── まずは、このタイミングで副業・インターン人材に向けたプラットフォームを立ち上げた理由を教えてください。
副業人材を積極的に受け入れることに決めた背景には、大きく3つの理由があります。
1つ目は、やはりコロナの影響です。
先の読めない状況が続いていることから、今、ユニリーバ・ジャパンでは採用活動が少しスローダウンしています。各部署で、優秀な人をもっと増やしてほしいというニーズはあるものの、今後の様子を見ながら採用しようとなっているからです。
そこで、副業・インターン希望者を積極的に募集することで、この課題に対する一つの解決策にしたいという狙いがあります。
これは完全に当社の都合ですが、2つ目の理由は、社会全体の課題解決をお手伝いしたいというものです。
特に今は、コロナによる消費の低下で、仕事が減ったりなくなったりと困っている個人や企業が増えています。
そこで、雇用面で私たちにできる社会貢献を考えた時、どこからでもリモートで働ける副業プラットフォームがあったらいいよね、というアイデアが出てきました。
ユニリーバ・ジャパンの発表資料を基に、編集部が作成
── そういう人たちにとっては、収入を得ること以外に、「キャリアの断絶」というリスクを回避する場にもなりそうです。
もっと言うと、副業を上手に使えば、キャリアを発展・進化させる機会にもなると思っています。
私自身、オンライン中心のリモートワークになってから、生産性は上がったけれど、新しい経験をしにくくなっているという感覚があって。