中国、成都の米総領事館に閉鎖通知 米政権に対抗措置

【北京=三塚聖平】中国外務省は24日、四川省成都市にある米国総領事館に閉鎖を通知したと発表した。米政権がテキサス州ヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を要求したことへの対抗措置。中国外務省はホームページ上に掲載した発表文で「責任は完全に米国にある」と米側を非難した。新型コロナウイルスの流行後に先鋭化している米中対立が、さらにエスカレートすることが避けられないとみられる。

 香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポストによると、成都の米総領事館は1985年に開設。四川省や重慶市、雲南省、チベット自治区などを受け持っている。湖北省武漢市の米総領事館の閉鎖を中国が検討しているという報道もあったが、サウスチャイナ紙は中国南西部を受け持つ成都の総領事館が米国にとって「戦略的に重要だ」との見方を示していた。

 中国外務省は発表文で、米国がヒューストンにある中国総領事館の閉鎖を命じたことについて「中米関係を深刻に破壊する」などと批判。その上で、対抗措置を打ち出したことについて「米国の理不尽な行いへの正当で必要な反応だ。国際法や国際関係の基本準則、外交慣例に適合する」と主張している。

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