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例えば、二人以上の独立した医師から残された余命が6ヶ月以内であると判断されていること、決断に影響を及ぼすような抑うつなどの精神症状がある場合精神科医などの診察を受けていること、最低15日以上あけて2回の口頭及び書面上のリクエストが確認されていること、緩和ケアやホスピスといった他の選択肢が十分提案されていること、薬物は自らが投与し、医師は立ち会いはできるが投与を行う必要はないこと、などです。
ただ、記事で強調されている金銭のやり取りがあったことから、金銭目的の殺人であったというのは本質ではないように思います。(異常な金額が授受されていればこちらが重要になる可能性はあります)
積極的安楽死については、警察が逮捕を行い検察が公判に耐えうるとして起訴するに際して、違法性阻却事由(確かに嘱託殺人としての構成要素はあるが、違法性がない正当な医療行為とされ無罪となる事由)の有無が大きな判断基準となります。
そして、過去の裁判例では、名古屋安楽死事件や東海大学安楽死事件などで、裁判所が積極的安楽死における違法性阻却事由として複数の要件を採用しています。それらに共通するのが、「回復の見込みがなく、(回復不可能な)死期の直前であること」が挙げられています。
今回は、死に至るようなフェーズではなかったということで、この要件を満たさないことが大きく「逮捕」という意思決定に寄与したように思います。(府警幹部の記事内のコメントもそれを示唆させます。)
2人の医師の行為は現行法では犯罪となるでしょうし、やるべきではなかったとは思います。
ただし、病気の特性上自死ができない中で、自ら死を選ぶ他の方法はなかったのかとは思います。
尊厳死と委嘱殺人は全く別のもので、そこを慎重に考えての判断だったと思います。
捜査の端緒が何だったのかが気になります。通常とは違う薬物投与は、血液検査ですぐにわかるものなのだろうか....